本記事では「アメリカ不動産退去後の原状回復・リノベーションの判断基準」について解説します。
アメリカ不動産の賃貸管理で重要なのが、インカムゲインを増やすための戦略です。
一般的にアメリカはインフレーションしているので、消費者物価指数と同じくらい賃料は上昇していきます。
賃料を上げるタイミングは、賃貸借契約の更新時と入居者が退去したタイミングです。
契約が更新されたときには考える必要はありませんが、入居者が退去したときには原状回復をして新しい入居者に貸し出すか、リノベーションをしてさらに賃料を上げるかの判断が必要です。
アメリカ不動産で入居者が退去した後に原状回復をするか、リノベーションをするかの判断基準について解説します。
入居者が退去した後の原状回復とリノベーションの違い
日本不動産で入居者が退去した後は、リノベーションをして、工事費用を投資したとしても思ったほど賃料が上がらないケースが多く、不動産オーナーは積極的にリノベーションをせず、原状回復ですませるオーナーが多いのが現状です。
一方、アメリカ不動産で入居者が退去した後は、積極的にリノベーションをして不動産自体のバリューアップのための投資をする不動産オーナーが多いです。
そもそも原状回復とは退去した入居者が入居する前の状態に戻すことです。
内装のクリーニング、必要であれば壁紙や床材の交換、壊れていれば設備を直すといったことが原状回復です。
一方、リノベーションは、カーペットからフローリングへの変更したり、設備をすべて最新の設備に交換したり、間取りを変えたりともともとの状態ではなく、退去した入居者が入居する前よりも不動産をアップグレードすることです。
当然、原状回復よりもリノベーションの方が工事費用が掛かり、工事費用を投資するからには投資資金の回収はもちろん、その後のインカムゲインも増えなければ意味がありません。
日本は不動産の価値が下がっていく国であるため、賃料が下がっていく傾向にありますが、アメリカはインフレーションをしているので消費者物価指数に合わせて賃料は上がります。
加えて賃料が上がる文化が根強いため、リノベーションの工事費用を投資したとしても、さらに賃料を上げられる見込みが高いため、アメリカ人不動産オーナーは積極的にリノベーションを施すのです。
原状回復で済ませるか、リノベーションを施すかの判断基準
入居者が退去するということは、その後のインカムゲインを増やし、投資効果を上げるチャンスの到来と捉えることができます。
入居者が退去したときに原状回復で済ませるか、リノベーションを施すかでその後の投資効果は大きく変わります。
それでは、どのようなケースでリノベーションを施し、どのようなケースで原状回復で済ませるかの判断基準を解説します。
結局はリノベーションを施すことによって「どのくらいの賃料が想定されて、費用はどのくらいで回収できるか」が一番の判断基準になります。 投資回収のシミュレーションをすることによって判断できますが、そのシミュレーションを考える際のポイントをまとめました。
①想定賃料と競合
周辺の賃貸管理中の不動産の賃料を確認し、適正な賃料で新たに設定する賃料をもとにシュミレーションしましょう。
合わせて周辺の賃貸管理中の不動産のスペック（内装・外装・設備など）と比較して、優越も確認することが必要です。
Webサイトを活用すれば比較的簡単に周辺の賃貸管理中の不動産と比較ができます。
■賃料相場比較サイト：Rentometer
②工事期間と空室率
入居者が退去した後に次の入居者が決まるまでは空室の状態になります。
原状回復した場合はどのくらいで入居者が決まるか、リノベーションを施した場合は工事期間がどれくらいかかるかとどのくらいで入居者が決まるかをシュミレーションしましょう。
③工事費用
リノベーションを施すのであれば、レベルにより工事費用の見積もりを取得する必要があります。
何社かの工事会社に相見積もりを取ることにより工事費用の妥当性がわかります。
工事費用をもとに、投資資金の回収とその後の投資効果についてシュミレーションしましょう。
以上のポイントをもとに原状回復かリノベーションかを判断しますが、アメリカの工事費用の見積もりや工事期間については、日本のように工事会社が約束するものではありません。
多くのケースで見積りよりも多い工事費用が掛かり、見積りよりも長い工事期間となることは事前に認識しておきましょう。
まとめ
アメリカ不動産投資の圧倒的な魅力は、不動産の運用中に投資効果が上がっていく点です。
インフレーションによる賃料上昇に加え、リノベーションをすればさらに賃料を上げることができます。
リノベーションをして不動産自体のバリューアップをすることは、インカムゲインを増やすだけでなく、アメリカ不動産を売ったときのキャピタルゲインにも影響があります。
アメリカ不動産の運用の戦略は、投資効果を上げるために非常に重要です。
PM会社としっかり打ち合わせをして、いかに毎年賃料を上げるか、さらにリノベーションをしてバリューアップをするかがアメリカ不動産投資のカギとなります。
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