本記事では「マイホームが投資対象とならない理由」について解説します。「夢のマイホーム」に経済メリットはあるのか!?高度経済成長、不動産神話といった昔の経済情勢ではいざ知らず、いまの経済情勢や社会環境でマイホームを買うことは本当に得なのかを賃貸との比較でわかりやすく解説します。住宅ローン減税や固定資産税減免などの税制優遇はみなさんにマイホームを買わせようとする国の施策です。
単純に住宅ローンの返済と賃料をして、住宅ローンの返済額が安いということでマイホームを買ってはいけません。
マイホームが得だと思ってしまうワケ
日本は新築の流通量が7割以上あるので、新築の戸建てやマンションを購入する方が多いと思います。
新築であれば住宅ローンも組みやすく、ほとんどの方は自己資金無しでもマイホームを購入することができます。
まず経済メリットとして思いつくのは税制優遇です。
①住宅ローン減税
②新築住宅の固定資産税減免
③マイホーム売却の譲渡所得税特別控除
所得から控除できて節税になる、マイホームを買っても売ったときに譲渡所得税も掛からないとなると俄然買った方が有利だと思うでしょう!
不動産は高額なので国としても不動産の取引、新築がどんどん売れた方が生産性、つまりGDPが上がるので、みなさんにマイホームを持ってほしいのです。
低金利も追い風となり、賃料を支払っているよりも、住宅ローンの返済金の方が低いとなると一見買った方が得なように思えますよね。
マイホームを買ったがために支払う必要のある経費
マイホームが得!と思える点が賃貸は自分の所有にならず、賃料が捨て金になる一方、賃料よりも住宅ローンの返済金の方が安いという点ですが、結論からいうとこれは正しくはありません。
マイホームを買ったときのシミュレーションをします。
前提としては6,000万円の戸建て住宅を買ったことにします
マイホームを購入すると諸経費や税金がかかります。
不動産取得税、不動産登記費用、住宅ローン手数料をあわせて約5%程度なので、マイホームを買うだけで不動産価格とは別に300万円が掛かります。
売買諸経費も住宅ローンの対象なので、6,300万円を住宅ローンで借りて、年利0.8%の35年元利均等返済をしたとします。
そうすると月々の返済がなんと172,000円!賃貸するより安い!となります。
マイホームを購入すると賃貸では掛からない費用が発生します。
住宅ローンの返済期間である35年でどのくらいの費用が掛かるのでしょうか。
1.固定資産税~1,000万円
固定資産税減免の税制優遇がありますが、期間が定められており35年で1,000万円程度掛かります。
2.修繕費~1,200万円
マイホームを買ったばかりでは発生しませんが、築10年を超えたあたりから発生します。
優良ビルダーが建築したマイホームでは不動産価格の15%程度、質の悪いビルダーであれば不動産価格の35~40%が掛かります。
平均すると不動産価格の20%が修繕費として掛かるといわれています。
3.火災保険料~175万円
賃貸であれば火災保険を支払いませんが、マイホームになった途端自分で火災保険に加入する必要があります。
4.住宅ローン金利~500万円
住宅ローン減税を鑑みたとしても500万円程度は住宅ローン金利負担が発生します。
税制改正で住宅ローン減税のルールが改悪になる可能性もあるのでお気をつけください。
買った時に発生する売買諸経費と賃貸では支払わなくてよい経費を合わせると約3,000万円程度で、不動産価格と合わせると約9,000万円になります。
つまり、マイホームを買うということは不動産価格の150%の資金が必要ということです。
住宅ローンの返済は172,000円でしたが、諸々の諸経費の35年分である3,000万円を月々に換算すると55,000円です。
実は月々に換算すると23万円程度掛かっていることになります。
賃貸した場合との比較
賃貸の場合のシミュレーションをして比較してみましょう!
6,000万円の物件であれば190,000万円くらいの賃貸価格が相場です。
190,000万円を35年で7,560万円です。
もちろん築年数が古くなるにつれて賃料も下がっていきますが、下がらない場合の想定です。
マイホームを買った場合のシミュレーションとの差額は約1,500万円となり、月々で換算すると50,000円が得となります。
この50,000円を複利で毎月積み立ててFIREがベンチマークしている4%で運用したとすると、4,500万円です。
マイホームを買う場合と賃貸で住んだ場合の差額である1,500万円と合わせると6,000万円になります。
結果6,000万円で買った築35年のマイホームが買った不動産価格以上で売れたら同じ投資効率となります。
築35年のマイホームは買った不動産価格で売れるでしょうか。
キャピタルゲインがない場合は自宅の売却譲渡税特別控除も関係ありません。
マイホームを買うということは投資ではありません。
投資をするのであれば俄然賃貸で住まわれることをオススメします。
どちらの選択にするか判断するためには、対象となるマイホームを購入する際に住宅ローンの返済額を算出すると思いますが、その返済額の150%以下で賃貸があるようであれば賃貸にしても経済メリットがでる可能性があります。
150%という数字を覚えておいてください。
海外不動産購入に興味がある方は、以下のリンクよりお気軽にお問合せください。
▼お問い合せはこちら
▼動画はこちら
海外不動産のホントのトコロYouTube版
記事では書ききれないリアルを発信中!
個別に相談したい方はこちら!