※2023年5月時点の情報です
本記事では、世界最大である暗号通貨取引所「Binance」がグローバルからジャパンへ移行することによる影響と日本国内ユーザーが必要な対応について解説します。
世界各国の金融当局から警告を受けアメリカやカナダでは撤退を余儀なくされたBinance。日本の金融庁からも数回にわたって警告を受けていましたが、2022年に日本の取引所である「サクラエクスチェンジ」を買収したことを期に、コンプライアンスを遵守する環境が整ったため、Binanceからバイナンスジャパン(仮称)へ移行するという発表がされました。日本の法令を遵守し、日本市場に本格参入することで、使い勝手抜群のBinanceのサービスが改悪されることは間違いありません。
今回の移行で国内ユーザーがしなければならないこと、サービス改悪の弊害について解説します。
Binanceからバイナンスジャパンへ移行が正式発表
2023年5月26日に、Binanceが日本市場への本格参入と移行を正式に発表しました。
Binanceがバイナンスジャパンに移行するにあたって、これまでのグローバルサービスの日本居住者の新規受付を停止することが決定しました。
Binanceが日本市場に参入するにあたってどんな対応が必要になるのかを確認する前に、まずは、その背景を解説します。
Binanceというサービスは、世界各国の当局から相次いで警告され続けてきました。日本の金融庁からもコンプライアンス違反をしているといった理由で、幾度となく、警告されています。
具体的には、Binanceが日本語のサイトを作っていることが、海外の金融業者であるにもかかわらず日本国民を勧誘しているとされ、警告がされました。
一方で、カナダやアメリカなどからは既に撤退しており、バイナンスとしては法令遵守を世界各国から要求されている状況です。
Binanceの日本市場での戦略として、2022年の11月に日本の金融庁認可の取引所である、サクラエクスチェンジという取引所を買収したため、日本に本格参入できる準が整い、いよいよ参入が決定したという流れです。
ただし、国内ユーザーからすると、これまでのBinanceは、日本の取引所よりも圧倒的に使い勝手が良かったことから、これまでの方が良かった感じる方も出てくることが予想されます。
しかし、日本の金融庁に警告を受けないようにするために、法令遵守で運用することを余儀なくされるでしょう。
移行スケジュールの確認と移行前にやるべきこと
今後のスケジュールですが、Binanceは、日本人居住者へのサービス提供を2023年11月30日をもって終了し、2023年8月1日以降、移行が開始されます。
8月からの移行に向けて、国内ユーザーは、KYCという本人確認が必要になります。
2023年8月1日〜11月末までに本人確認をすればそのまま移行されるという流れになっています。これは、11月末に向け、先物取引や信用取引ができなくなるだけでなく、現物取引もできなくなることを意味します。最終的には完全移行といったような流れで進みます。
次に、移行前にすべきことを3つ解説します。
まずはBinanceのアカウントを引き継いでいく意向であれば、KYCという本人確認を2023年8月1日〜11月末までにしてください。
2つ目に、取扱通貨の確認と整理が必要です。現在、持っているトークン通貨が、移行後のバイナンスジャパンでも採用されるかどうか、取引できるかどうかを確認しましょう。取引できないとなると、その通貨については、引き継がれなくなります。まずはこの通貨の確認と整理をしましょう。最後に他の取引所への移管を検討します。
現在、保有しているポジションのトークンがなければバイナンスジャパンに移行できない可能性もあるため、他の取引所への移行を検討しなければなりません。
バイナンスジャパンへ移行する弊害
最後に、グローバルからジャパンへの移行の弊害について、予想の範囲ですが、解説します。
今回、日本の金融庁のガイドラインに従ってルール設定されると予想され、バイナンスの使い勝手が悪くなるのは間違いないでしょう。
1つ目は、取扱い通貨のトークンの激減されることが予想されます。
Binanceは世界中のどんなトークンでも買えるほど、取扱い通貨が豊富でした。しかし、買収したサクラエクスチェンジは、取扱い通貨が11種類と少なく、日本で最も多いと言われているビットバンクでも20数通貨程度にとどまります。
そういった理由から、おそらく取扱い通貨は20〜30に激減するでしょう。現在、20〜30に該当しない通貨を持っている場合は、移行を検討しなければなりません。
2つ目は、レバレッジの制限です。
投資効果を上げるために利かせるのがレバレッジですが、レバレッジが20倍から、10倍になるのでは、と言われています。
最後に、仮想通貨では、ステーキングやセービングなどのサービスを使いながらインカムゲインを得ていこうとしますが、それらのサービスも継続されるかどうかは不明です。日本では、ごく一部の通貨ではセービングやステーキングのサービスに対応していますが、多くはありません。
Binance自体は、取扱い通貨も非常に多く、新しく参入してくる上場通貨をすべて取り扱っていました。ステーキングやセービングにも対応して多くの通貨の運用ができていましたが、すベてが激減していくと予想されるため、投資効果は薄まっていくでしょう。
まとめ
本記事では、Binanceのグローバルからジャパンへの移行について、ジャパンに移行した場合、金融庁の定めたルールに則って法令遵守で運用していくことになれば、国内の取引所とあまり変わらない取引所になる可能性が非常に高い、という説明をしました。
大きな取引所であるBinanceが、日本の仮想通貨市場に入ってきて、より多くの人が仮想通貨に馴染みが出てきたり、利用者が多くなったり、という期待感が日本にはあるものの、すでに仮想通貨の運用をしっかりしている方からすると、あまり使い勝手が良くないという結論になるかもしれません。
今まで通りの運用をしたいのであれば、他国の仮想通貨取引所に土俵を移すこともできます。
仮想通貨であれば送金できるため、例えばバイビットなどは、200〜300種類の通過の取扱いがあるため、一度、Binanceからバイナンスジャパンに移行し、試した上で、他の取引所に移管することを検討されてはいかがでしょうか。
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