本記事では「賃料アップで利回りが上昇するアメリカ不動産」について解説します。
不動産投資の目的のひとつはインカムゲインですが、アメリカ不動産のインカムゲインは安定させることができ、かつ収益を最大化することが可能です。つまり、安定した賃料を定期的にあげることができ、利回りが上昇していくということです。
日本の不動産投資では、経年劣化により賃料が下がっていく傾向にありますが、なぜアメリカ不動産は賃料をあげることができるのでしょうか。アメリカ不動産で安定した賃料をあげることができ、利回りが上昇する理由を解説します。
1.日本の不動産とアメリカ不動産の考え方の違い
日本の不動産は基本的に経年により不動産の価値が下がると考えられています。不動産価格が下がるのに合わせて、賃料も下がっていきます。
日本の不動産は建物の価値と土地の価値が分かれていますが、ほとんどの場合圧倒的に土地の価値が高いとされています。 建物の価値は経年するにつれ価値が無くなっていきます。
日本で流通している不動産の7割以上が新築不動産で、日本はいまだに新築神話が残っています。
一方、アメリカ不動産は基本的に不動産の価値は、建物の状態によりほとんどの場合、上がると考えられています。 アメリカ不動産の場合、土地の価値よりも圧倒的に建物の価値の方が高いのです。建物の価値が高い背景は、アメリカで流通している不動産の8割以上が中古不動産で、築古の不動産も多いです。築古不動産に手を加えて価値を保ちますが、手を加えた建物の状態を評価しているためです。
このようなアメリカ不動産の特徴は、かつて海外不動産を活用した個人の所得税節税スキームに合致して、アメリカ不動産投資ブームの理由となりました。
2.インフレーションと経済成長
アメリカ不動産の賃料や不動産価格が上がる根本的な理由はインフレーションと経済成長です。デフレーション中の日本人にはなかなかイメージできませんが、インフレーションしている国の物価や賃料が上がるのは当然とされています。
アメリカ不動産の過去の賃料の推移を知りたければ、アメリカの消費者物価指数を確認すればわかるでしょう。消費者物価指数と合わせて賃料も上がっていくといわれています。
賃料は景気の動向やリセッションとあまり関係なく、緩やかに右肩上がりに上昇しています。不動産価格と比較するとボラティリティが小さいのが特徴です。
アメリカ不動産の過去の不動産価格の推移を知りたければ、ケース・シラー住宅価格指数を確認すればわかるでしょう。
不動産価格は景気動向やリセッションと関係するため、ボラティリティが大きく乱高下します。
7~9年でS字カーブを描きますが、底値の不動産価格は右肩上がりに上昇しています。エリアにもよりますが、アメリカ不動産は10~15年で不動産価格が倍になるといわれています。
アメリカのインフレーションと経済成長は、日本人投資家からすると投資効果にアドオンできるため、アメリカ不動産投資は優秀な投資対象といえます。アメリカは絶賛インフレーション政策中のため、当面の間は上昇する傾向は変わりません。
3.追い出し可能なアメリカ不動産の入居者
日本の不動産では入居者がいる以上、賃料を上げることはほぼ不可能です。
日本では不動産オーナーよりも入居者の立場の方が強く、借地借家法という強い法律により守られているため、賃貸借契約の更新時でも一方的に賃料を上げることができません。入居者を追い出すことはもってのほかです。
一方、アメリカ不動産の場合、不動産オーナーと入居者は対応な立場です。
賃貸借契約の更新時に上げたい賃料を入居者に提示することができます。話は簡単で入居者が新賃料に納得すれば、その賃料で賃貸借契約をし、入居者が新賃料を気に入らなければ出ていくことになります。
アメリカ不動産の賃貸借契約は一般的に1年更新が多いため、1年に1回賃料を上げるチャンスが訪れるのです。
そもそもアメリカはインフレーションをしているため、毎年賃料が上がることは当然だと認識しています。
日本人の価値観である賃料を上げるのは難しい、賃料を上げたらなかなか入居者が決まらないという価値観はアメリカでは当てはまりません。
賃貸不動産だろうが、マイホームだろうが、アメリカのローカルは長く同じ不動産に住み続けることはありません。 人生の中で何度も居住を変えているのです。
4.まとめ
結論!アメリカ不動産は安定した賃料を上げることができ、年々利回りが上がります。
賃料を上げるのは入居者の入退去のタイミングと賃貸借契約の更新のタイミングです。その都度、そのエリアの賃料相場と周辺の競合物件のスペックを照らし合わせて、上げる賃料を決めることになります。
入退去と更新はアメリカ不動産管理会社の仕事ですので、アメリカ不動産管理会社には賃料を上げたいという意向を伝え、その都度戦略を練りましょう。
アメリカ不動産投資をしていて思ったような利回りが確保できていない場合でも中長期でアメリカ不動産投資に取り組んでいれば、利回りが上がる可能性が高いということです。現状の利回りが低いからといって諦めることなく、継続的に取り組まれることをオススメします。
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