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【マレーシアビジネス】安心・お得に会社設立する方法を伝授

本記事では、マレーシアの法人設立の方法について解説します。

マレーシアへ進出して売上や利益を得るためには、必ず何かしらの法人をマレーシアに登記しなければなりません。当然、その法人での納税も必要になります。

マレーシア進出でもっとも選ばれている形態は現地法人を設立する形態です。マレーシアで法人設立するのであれば、判断をしなければならないことがあります。独資かノミニーか、居住取締役は自分かノミニーか、を判断する必要があるのです。今回はそれぞれのメリットとデメリットを詳しく解説します。

日本法人がマレーシアに進出するならこの形態!3つの形態比較

日本法人がマレーシアに進出するにあたって3つのケースで進出することがほとんどです。まずはその3つのケースについて比較していきます。

1.日本法人の支店をマレーシアに作る

メリット

日本法人の支店を作るメリットとしては、マレーシアで売上や収益を得るという営業活動ができる点と撤退をしやすいという点が挙げられます。

デメリット

反対に、3つの大きなデメリットもあります。まず1つ目は、支店で起こった事故や訴訟などの全ての責任が日本本社に帰属することです。つまり、リスクが切り分けられないということです。当然マレーシアは外国なので、どのような内容で訴訟されるか、どのような事故にみまわれるかわかりません。そういった点でリスクが切り離されてないというのは大きなリスクでしょう。

2つ目はビジネスライセンスの制限があることです。日本法人の支店の場合、全ての事業でビジネスライセンスが取得できるわけではありません。マレーシアでは外国法人への規制が設定されており、事業によっては日本法人の支店では進出ができないというケースがあります。

3つ目は二重課税の可能性がある点です。マレーシアでも日本でも両方で納税が必要です。

2.駐在員事務所を作る

メリット

駐在員事務所を作るメリットは、ビジネスを始める前に、マレーシアで事業が通用するのか、マーケットがあるのかを事前に調査できることです。自社の社員やパートナーを派遣する場合、観光ビザでは3ヵ月しか滞在できないため、就労ビザが必要になります。

そこで駐在員事務所という法人のような人格を持って就労ビザを取得してリサーチをすることになります。

デメリット

駐在員事務所は、営業行為はできず、売上や収益が発生してはいけません。また、問題が起きた際には権利義務は全て日本法人に帰属します。

以上のように日本法人の支店を作るのはメリットよりもデメリットが大きい、ということから、一般的にはマレーシアの現地法人を作って事業進出される法人が非常に多いと言われています。

マレーシア法人を設立するときのルール

マレーシア法人を設立する際のルールについて、3つの観点からみていきましょう。

マレーシア法人設立の選択①取締役

マレーシア法人には、必ず居住取締役が1名以上必要です。そのため、皆さんがマレーシアに住まない場合、ノミニーの取締役が必要です。実際、この居住取締役として認められるためには、就労ビザと自宅の賃貸借契約が必要です。そのため、当然就労ビザが取得できない場合や居住スペースがない場合は、自ずと取締役にノミニーをお願いしなければなりません。

マレーシア法人設立の選択②株主

マレーシア法人で就労ビザを発行するためには、就労ビザ申請の前にWRTに登録する必要があります。そのためにはWRTの申請条件を満たした資本金が必要です。例えば、外国人株主が100%の場合、50万リンギット(1,500万円)の資本金が必要です。行う事業が飲食業やサービス業の場合、100万リンギット(3,000万円)必要です。一方、マレーシア人の株主が51%超の場合、35万リンギット(1,050万円)、さらにマレーシア人の株主が100%の場合は25万リンギット(750万円)となり、750万円〜1,000万円ほどで就労ビザの申請ができると言われています。

マレーシア法人設立前に決めなければならないこと

マレーシアで法人を設立する前に、まず自社で就労ビザを発行するかどうかを決めなければなりません。

また、WRTへ登録するかどうかも決定します。WRTとはWholesale Retail Trading Approvalの略で、外国法人に対しての許可のようなものです。

さらに、会社を作る発起人がマレーシアに移住するかどうかも重要です。マレーシアで法人設立する場合は、シェアホルダー(株主)にしても、取締役にしても発起人がマレーシアに移住しない場合ノミニーを入れなければなりません。

ノミニーを受け入れるリスク

ノミニーとは、簡単に言うと名義貸しです。例えば現地の人でなければできないということがあった場合に、現地の人の名前を借りるということが想定されます。一般的にノミニーノミニー契約をして毎月名義貸しの報酬を支払います。最終的には会社のシェアホルダーか、ステークホルダーになるので、決算時には収益や売上を報告する、ということになります。一般的には、会計士や税理士といった士業の方々がなるケースが非常に多いようです。

そのため、このWRTを回避するのか、回避しないのかでマレーシア人の株主に関してノミニーが必要になります。しかし、ノミニーを入れることにはリスクがあります。

まず1つ目のリスクは法人を乗っ取られるリスクです。

2つ目は自分が取締役を解任されるリスクです。これは日本でもそうですが、マレーシアでもよく起こり得ます。

3つ目は利益分配を要求されるリスクです。ノミニーには月々名義貸しで報酬を払っていますが、だんだんこの会社が儲かっているなと思い始めると、配当をよこせと言ってきたりします。

しかし、これらに対して、日本人がいくら契約書があるなどと訴えようが、マレーシアで戦った場合は絶対外国人が負けます。ノミニーを入れるというのはこの3つのリスクがあるということを覚えておいてください。その上でシェアフォルダーは独資するかノミニーを借りるか、もしくは取締役の場合、自分がなるのかノミニーを入れるのかを決断してください。

マレーシア法人設立のフローとコスト

ここからは、実際にマレーシアの法人を作る際のフローを紹介します。

まず1つ目はネームサーチです。法人名の候補の中からその法人名が使えるかどうかを調べて当局に申請します。そしてネームサーチでこの名前OKですよとなると、30日間この名前が予約されている、という状態になります。ですので、この30日間の間に法人設立の手続きを始めます。

2つ目のステップは、取締役及び株主の決定です。ノミニーを入れるか自分たちでやるかを決めてください。

3つ目はセクレタリー(会社秘書役)の決定です。これはマレーシア独特のもので、会社の登記など日本では行政書士や司法書士がするような仕事を会社の秘書役にお願いしなければなりません。このセクレタリーは役員でもあります。

4つ目は、法人の事業の決定です。日本でも登記に書かれますが、マレーシアでも同じように「この事業をやります」ということを決めます。

ここまでが決まると会社設立の申請ができ、登録番号が発行されます。登録番号とは、日本の法人番号のようなものです。そうすると、色々なサービスがだんだん使えるようになってきますので、まずは法人の銀行口座を作りにいきましょう。営業活動するためには銀行口座が必要です。一般的に会社を設立するときはミニマムの資本金で申請することが多いですが、銀行口座が開設できれば、そこにお金を投じて増資登記できます。

最終的に、取締役会の決議や株主総会の決議をして、取締役と株主がすべて決定されれば完了です。色々なメディアでは何ヶ月もかかるというように書かれていますが、しっかり準備すれば1ヶ月足らずで設立できます。

つづいて、コストについて日系のコンサルティング会社5社から見積りをとりました。

例えば、マレーシアの法人設立の手続きをする場合、一番高いところで12,000リンギット(36万円)、一番安いところで6,000リンギット(18万円)ということで、コンサルティング会社によってさまざまです。

また、WRTの登録に関しては一番高いところは15,000リンギット、一番安いところで7,000リンギットということで、倍くらいの差があります。外国語が喋れるというのであればマレーシアのコンサルティング会社や行政書士、司法書士にお願いをすれば安く済ませられるでしょう。日本語で全ての登記や手続きを終わらせたいのであれば、日経のコンサルティング会社に相談するのがいいでしょう。ただし、この5社の中でも金額が全然違うので、よく調べてからパートナーを決めましょう。

まとめ

今回は、マレーシアの法人設立について解説しました。

一番大事なのは、株主と取締役を自分たちでやるか、ノミニーを活用するかということです。これは当然、コストにも関わります。資本金がいくら必要なのか、ノミニーを置くのであれば運営費がかかるので、どのくらいの資金があって、どのようなビジネスをどのくらいやっていくのかというのを考えた上で決めなければいけません。初めにノミニーでやってそこから独資にしていくということも当然できます。あらかじめ法人設立してからのシナリオを考えておきましょう。

また、海外進出には必ずつきまとうビザ問題とビジネスライセンスについて解決しなければ事業進出はできないと言っても過言ではありません。WRTや居住取締役についても解説しましたが、就労ビザは重要です。ですので、このビザ問題をまずは解決する。そして、マレーシアには外国人に対して規制があり、すべての事業が外国の資本だけでできるわけではありません。事前にしっかり調べることをおすすめします。

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