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【完全保存版】マレーシア不動産取引の手引き~日本との比較と注意点を網羅

今回はマレーシアで不動産投資をするにあたって、どのような流れで不動産取引をしていくのか、投資する際に気になるイニシャルコストや不動産の取得費用、賃貸管理にかかる費用などについて解説します。安心・安全にマレーシア不動産を取引するために、マレーシア不動産取引で注意すべきポイントを解説しておりますので、ぜひ最後までお読みください。

マレーシアの不動産取引について

はじめに、マレーシアの不動産投資のフローをみていきましょう。

まず、マレーシアでは購入したい不動産を決めた時点で、LOを出します。これはレターオブオファーという意味で、売り主に購入意向を伝える書類を提出します。その際、不動産価格の約3%の申込金も合わせて支払います。

次に、弁護士との契約をします。マレーシアの不動産売買は、基本的に弁護士を介して取引します。アメリカではエスクロー取引、日本では司法書士による登記、フランスでは公証人というようにさまざまな形態がありますが、マレーシアでは弁護士を介して契約していきます。弁護士は物件の権利調査やインスペクションを行い、SPA(不動産売買契約書)を作成します。そこに双方のサインが入ると、ここで初めて手付金を払います。手付金は不動産価格の約7%と言われており、この時点で不動産価格の10%程度をまずは支払うということです。

さらに、州政府の合意申請を得なければなりません。マレーシアには外国人投資規制があり、州から合意をもらわなければ外国人は不動産投資ができません。そのため、大使館でサイン認証をして、合意申請書にサインをします。ここまででおおよそ1ヵ月ほどかかります。また、合意申請をしてから合意取得に至るまでにも、だいたい1〜2ヵ月ほどかかると言われています。

そして、合意取得ができてはじめて残りの約90%の不動産代金を支払い、登記をします。

そのため、マレーシアの不動産取引は3〜4ヵ月ほどかかると言われています。アメリカでは短くて2週間、長くて2ヵ月ほどなので、マレーシアは少し長いです。日本でも2〜3ヵ月かかりますので日本に近いように感じます。

マレーシア不動産取引のポイントと相違点

ここで、アメリカや日本との相違点をまとめておきましょう。

1.弁護士を介した不動産取引

マレーシアでは弁護士を介して不動産取引をします。弁護士の役割は、権利関係を確認したり、契約書などを作ったりすることです。特に、インスペクションは重要です。中古不動産の場合、売り主に瑕疵担保責任がないため、瑕疵や補修箇所を明らかにして、弁護士を介して売り主に交渉します。そのため、弁護士選びは慎重にしましょう。

2.州政府に外国人が不動産を取得する合意

外国人が不動産を取得する場合、州政府に申請しなければなりません。州ごとに色々なルールはありますが、全てが全て外国人が土地を所有してはいけない、というルールではありません。

ただし、マレーシア政府は最低投資金額を定めています。今でいうと、100万リンギット(3000万円)以上の物件でなければ外国人不動産投資家は投資できません。ちなみに最低投資金額は過去に何度も変わっています。安くなったり高くなったり、マレーシアの事情で変わるので、現状では100万円リンギット(3000万円)と覚えておいてください。

3.マレーシア大使館でのサイン認証

マレーシア大使館でのサイン認証が必要です。アメリカの場合、アメリカ大使館で所有権のノータリーをもらうということがありますが、マレーシアの場合はそのサイン自体を認証してもらいます。売買契約書や州の合意申請の際にこのサインがマレーシアで有効なことを示す必要があるからです。

マレーシア不動産にかかる費用について

ここからは、マレーシアの不動産にかかる費用について解説していきます。

1.購入時

アメリカの場合、仲介手数料は売り主負担のため、エスクロー費用だけでよく、不動産価格の2〜3%で売買取引ができます。一方、マレーシアの場合は日本と同じで、不動産仲介手数料を約3%払う必要があります。

また、弁護士費用が約2〜4%かかります。この中にはサイン認証や州政府の合意申請などの手続きも含まれています。

さらに、不動産登記の印紙税がかかります。累進のため、金額が高くなればなるほどパーセンテージが変わります。日本人が投資する場合の印紙税は2%ほどでしょう。その上、2,000〜4,000リンギットのインスペクションがかかります。

そのため、購入の取得時にかかる費用は不動産価格の約7〜10%です。

2.売却時

一方、売却するときには不動産仲介手数料(3%)や弁護士費用(2〜4%)だけでよく、サイン認証や州の合意などは必要ありません。そのため、売却時にかかる費用は約4〜6%ほどと言われています。

また、マレーシアでは6年を超えて不動産を所有する場合、マレーシア居住者であればキャピタルゲイン税はかかりません。つまり、売却時には税金がかからないということです。日本居住者の場合は、一律30%の源泉税が掛かりますので注意してください。 

3.賃貸管理

次に賃貸管理の場合を解説していきます。

クアラルンプールで不動産を購入する場合、コンドミニアムが対象となることがほとんどです。コンドミニアムの場合、修繕積み立てや全体のプロジェクトを運営していくための費用といった共益費が賃料の約10%かかります。また、不動産管理費が約10%、固定資産税が1〜2%必要です。

マレーシア不動産は少ない費用で投資できるという特徴があります。賃貸管理の費用率で比べてみると、ロサンゼルス40%、テキサス60%、日本30%です。それに比べてマレーシアは20%〜25%で、圧倒的に運営にかかる費用がかかりません。つまり、投資の利回りが出やすいと言えるでしょう。

マレーシア不動産投資であれば中古不動産!マレーシア不動産投資の対象

最後にマレーシア不動産取引の注意点をおさらいしましょう。

1.取引期間に余裕

取引期間に余裕を持つことが重要です。3〜4ヵ月ほどかかります。

2.不動産取引の弁護士の選定

マレーシアでは弁護士を介して不動産取引をします。弁護士次第で安定した取引ができないという可能性もあるため注意が必要です。

3.売り主には瑕疵担保責任がないため、インスペクション

日本ではあまり馴染みがありませんが、海外不動産ではインスペクションを常に行うものです。覚えておくといいでしょう。

4.マレーシア大使館でのサイン認証

マレーシア特有の方法です。わざわざマレーシア大使館に行ってサイン認証をしなければなりません。日本では渋谷にしかないため、地方の方でも手続きするためには渋谷に行く必要があります。

5.外国人の不動産投資規制(100万RM)

東南アジアの国々では、土地や占有率などにおいて外国人に対しての規制があり、マレーシアでは最低投資価格という制限があります。今でいうとクアラルンプールでは100万リンギット(3,000万円)以上を投資対象とする必要があります。

6.買ってはいけないプレビルド不動産

多くの日本の販売会社がプレビルドプログレスペイメントで販売しています。投資しやすく、人気はありますが、リスクもあります。竣工しない、竣工遅延といった場合に手付金や申込金など支払っているお金が返ってこないという事例もありますので、努めて中古不動産で取引することをおすすめします。

マレーシア不動産取引まとめ

先進国の不動産取引は安定しています。アメリカではエスクローといった専門家が揃っています。日本でも司法書士事務所があり、行政がしっかりしているので安定した不動産取引ができます。一方、東南アジアの新興国では、いい加減な士業が多いのも事実です。いい加減な士業と取引すればいい加減な取引になってしまいます。そのため、やはり日本の専門家のサポートがあると安心です。

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