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アメリカ不動産を活用した節税方法まとめ・今こそチェック!

本記事では「アメリカ不動産を活用した節税のすべて」について解説します。海外不動産を活用した個人の所得税節税が一大ブームとなり、所得税の痛税感が高い富裕層の多くがアメリカ不動産を購入しました。アメリカ不動産はインフレーションや経済成長の恩恵を受けられる優良な投資対象で、もともとは純投資を目的としてアメリカ不動産投資をしている投資家がアメリカ不動産を購入していました。一方、アメリカ不動産を活用して個人の所得税の節税を主たる目的としてアメリカ不動産を購入した富裕層の中には不動産投資の初心者や知識があまりない状態でアメリカ不動産を購入しました。個人の所得税節税の仕組みや税制改正の変遷、今後アメリカ不動産を活用して節税できる可能性を解説します。

一大ブームとなった節税目的のアメリカ不動産と税制改正による終焉

日本の税制の中で、減価償却の簡便法を用いたのがアメリカ不動産を活用した個人の所得税の節税です。
日本の税制では建物部分に限り、耐用年数を超えた不動産は簡便法により耐用年数の20%の年数で減価償却費を計上できるというルールです。
日本の不動産は土地の価値が高いため、建物部分を活用した節税には適しませんが、アメリカの不動産の場合、土地よりも建物部分の価値が高いため、この節税手法に適していました。
多額の減価償却費を計上した不動産部門の赤字と給与などの所得の黒字を損益通算すると、所得の高い富裕層の所得税は還付を受けることができます。
さらに不動産の譲渡税のルールは、購入した翌年を起算日として5年以上経過した場合、長期譲渡とみなされます。
不動産の長期譲渡の譲渡税率は約20%、短期譲渡の譲渡税率は約40%になります。
単純に計算をすると、長期譲渡税率と個人の所得税率のギャップが節税効果となります。
このように個人の所得税節税ができるということで、富裕層がこぞってアメリカ不動産を購入したのです。

アメリカ不動産は住宅ローンの活用ができないため、多額の資金を持つ富裕層のみがこの節税スキームを活用して個人の所得税ができるということで、税務当局は税の公平性の観点で2020年に税制改正をしました。
税制改正の内容は、海外不動産に限り不動産部門と一般部門の損益通算ができないという内容です。
この税制改正により、2021年以降はアメリカ不動産を活用した個人の所得税の節税ができなくなってしまいました。

個人の節税の終焉により浮き彫りになったアメリカ不動産販売会社の問題

不動産投資の主たる目的は安定したインカムゲインと売却のときのキャピタルゲインです。
純投資としてアメリカ不動産投資をする場合、インカムゲインとキャピタルゲインを得られるかが投資判断となるため、投資するエリアや投資する不動産について分析をして投資判断をします。
一方、節税目的でアメリカ不動産を購入する場合、あくまでも節税効果を見込んでアメリカ不動産投資をするので、不動産価格をあまり気にせずに、投資する不動産を見ないままアメリカ不動産を購入しています。
節税目的でアメリカ不動産を購入する富裕層は、アメリカ不動産販売会社には都合がよく、アメリカ不動産販売会社の都合の良いアメリカ不動産を販売しました。

①市場価格よりも高い価格でアメリカ不動産を販売

節税目的の富裕層は節税ができれば問題がないため、不動産価格ではなく築年数や構造、建物比率にフォーカスをして不動産選定をしていました。
その結果、アメリカ不動産販売会社は買取転売により利益を確保した上で、アメリカの不動産市場よりも高い不動産価格で販売したのです。
大手のアメリカ不動産販売会社で20~30%、アメリカ不動産販売会社の中には市場価格の2倍の不動産価格で販売したアメリカ不動産販売会社もあります。
不動産投資において購入価格は非常に重要ですが、このような不動産の場合、売却価格が購入価格を下回り、キャピタルロスをする可能性が高いです。

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②節税には適している木造区分所有不動産=売れない

アメリカ不動産を購入するときは住宅ローンが使えない場合が多く、多額の自己資金が必要です。
自己資金が少なくてもアメリカ不動産を購入できるように、アメリカ不動産販売会社は低価格の商品を組成する必要がありました。
その結果、1棟の収益不動産を区分所有の不動産に登記変更をし、タウンハウスやコンドミニアムの区分所有の不動産を販売しました。
アメリカでは大都市は別として区分所有の不動産よりも戸建ての不動産に需要があります。
区分所有の不動産の中にはHOAが不在で共用部の管理が行き届いていない不動産もたくさんあるようです。
このような不動産は売却することができません。

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③不動産管理が行き届いていない不動産

日本のアメリカ不動産販売会社の中には販売した後、その物件の賃貸管理に携わらないアメリカ不動産会社もあります。
アメリカ不動産会社の中には販売後に賃貸管理をする契約をしたにも関わらず、管理放棄や倒産をしてしまうアメリカ不動産販売会社もあるようです。
当然、賃貸管理が行き届かない不動産は朽ちていき、売却するときにも購入価格よりは高く売却できないでしょう。

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期待を下回るアメリカ不動産を活用した節税効果~損益分岐点

個人の所得税節税を目的としてアメリカ不動産を購入したとしても、結局は不動産投資の主たる目的は変わりません。
安定したインカムゲインと売却のときのキャピタルゲインです。
個人の所得税節税の効果は限定的で、不動産投資の投資効果に付随する程度の効果です。
アメリカ不動産を活用した個人の所得税節税の効果と損益分岐点を解説します。

①節税効果と利回り=33%

この個人の所得税節税の手法は富裕層に限られるため、所得税率が40%以上の富裕層がアメリカ不動産を購入しています。
アメリカ不動産の建物比率が平均的な80%として、所得税・住民税の節税効果は40%です。
ただし、アメリカ不動産を売却するときには長期譲渡税として20%掛かるため、建物比率が80%の不動産であれば、16%が課税の対象となります。
Cap rateが平均的な3%とすると、長期譲渡になるまで18%の投資効果を得られます。
ただし、賃料収入などの収益に所得税が発生し課税対象となるため、運用益は9%となります。
合算の33%がアメリカ不動産を活用した節税効果と利回りになります。

②アメリカ不動産の売買諸経費=14%

アメリカ不動産を購入するときに仲介手数料は掛かりません。
アメリカ不動産販売会社の業務委託費用と売買諸経費で4%程度掛かります。
アメリカ不動産は売却するときに多くの費用が発生します。
仲介手数料、売買諸経費、さらにアメリカ不動産販売会社の業務委託費用を合算すると10%程度の費用が発生します。
アメリカ不動産の売買諸経費を合算すると14%になります。

③アメリカ不動産を活用した個人の所得税節税効果=19%

アメリカ不動産を活用した節税効果とアメリカ不動産の売買諸経費の差額が純粋なアメリカ不動産を活用した個人の所得税節税効果となります。
合算すると19%です。
ここに含まれていない費用が、アメリカ不動産担保ローンの手数料や金利です。
アメリカ不動産をローンを活用して購入されている方は、実は10%程度の節税効果しかありません。

アメリカ不動産を活用した個人の所得税節税効果が10%程度だとすると、不動産投資として10%マイナスの要因が発生した場合、損をする可能性が高いです。
為替損、売却のときの値下がり損があった場合には簡単に10%程度の損失の可能性があります。
結局、個人の所得税節税を目的としてアメリカ不動産を購入していたとしても、節税効果は限定的で不動産投資としての本質を忘れてはいけません。
もし市場価格よりも高く購入している、アメリカ不動産担保ローンのローン割合が高いアメリカ不動産オーナーがいらっしゃれば、長期譲渡を待たずしての売却を検討をオススメします。

いまからでもできるアメリカ不動産を活用した節税

税制改正がありアメリカ不動産を活用した節税はできないと思われている方もいらっしゃるでしょうが、実はまだアメリカ不動産を活用した節税はできます。

①アメリカ不動産を活用した法人税節税

税制改正があったのは個人の所得税節税を封じるもので、法人の法人税節税には活用が可能です。
生命保険やオペレーティングリースといった法人の節税商品が先細る中、法人税節税のためにアメリカ不動産を購入する法人は多くなる一方です。
法人でアメリカ不動産を所有するリスクもありますので、リスクとリターンをしっかり理解した上で節税対策されることをオススメします

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②コストセグリゲーション

コストセグリゲーションを活用すれば、以前のような節税効果までではありませんが、個人の所得税節税が可能です。
アメリカ不動産への純投資をされるのであれば、付随する効果として検討してもいいかもしれません。
コストセグリゲーションはアメリカの専門家に依頼する必要がありますのでお気をつけください。

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まとめ

アメリカ不動産販売会社では当時税制改正のニュースに衝撃が走りました。
個人の所得税節税ニーズのある富裕層に、あの手この手で日本人ライクな自分たちの都合のよいアメリカ不動産を商品として販売しました。

今になってトラブルが明るみに出始めています。

結局、節税目的であれ、純投資であれアメリカ不動産を投資目的で購入するということは、不動産投資の主たる目的を忘れてはいけません。
安定して賃料収入が得られる不動産、売却のときに値上がる不動産を選定しなければなりません。

税制改正は節税目的でアメリカ不動産を購入した日本人オーナーの判断にはいいタイミングでしょう。
もしトラブルに巻き込まれたり、高値で購入したことがわかった場合は長期譲渡を待たずしての早期売却を検討されることをオススメします。

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