本記事では、東南アジア3ヵ国のビザについて比較します。
これから超少子高齢化を迎え生産性が下がり続ける日本に不安を感じ、海外移住を検討する方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、海外移住にはビザが障壁になることも…。
東南アジアは日本からも近く、温暖な気候であることから日本人には人気の海外移住先であるため、ASEAN諸国は世界中から富裕層を誘致するためにプレミアムビザを発行しています。つまり、海外移住するのに最も高い壁であるビザが東南アジアではお金で買えるということです。
今回はASEAN諸国でプレミアムビザを発行している代表的な国である、マレーシア、タイ、カンボジアのプレミアムビザを徹底比較しました。
特にマレーシアのPVIPは2022年10月からスタートしたプレミアムビザで注目です。
PVIP~マレーシアプレミアムビザプログラム
はじめに、マレーシアのプレミアムビザプログラムについて解説します。
プレミアムビザプログラム(通称PVIP)は、マレーシアの入国管理局の管轄のもと、2022年10月から申請がスタートしました。PVIPは最長20年滞在できる長期滞在ビザで、投資移住ビザという位置付けです。
現在マレーシアの当局に承認を得ている正規の代理店は16社あります。ただ、この16社すべてが稼働しているわけではなく、段階的にビザ発行の手続きを担当しているという現状です。
PVIPと既存のMM2H(マレーシア・マイセカンドホーム)との違いはどこにあるのでしょうか。どちらも長期滞在ビザであることに変わりはありません。
1.取得条件
どちらも、定期預金100万リンギットが必要です。日本円にして約3000万円の資金をマレーシアの定期預金に預けなければなりません。
2.年齢制限
MM2Hは35歳以上に対して、PVIPは年齢制限がありません。
3.流動資産の証明
MM2Hは150万リンギットの流動資産が必要なのに対し、PVIPは必要ありません。
4.滞在義務
MM2Hは1年間の中で90日以上はマレーシアに滞在しなければなりませんが、PVIPは滞在義務がありません。
5.就労の可否
MM2Hでは就労ができません。一方、PVIPは、就労できます。PVIPを取得してマレーシアで働いたり、事業活動してお金を稼いだりできるのです。
6.発行手続き手数料
MM2Hは5000リンギット(約15万円)必要でしたが、PVIPは20万リンギット(約600万円)必要です。
以上のように、MM2HとPVIPではコスト面で大きな違いがあるため、どちらのビザを取得するのかについて、よく考える必要があります。
タイランドエリート
続いて、タイのプレミアムビザ、タイランドエリートについてみていきます。
タイランドエリートは、2003年から申請がスタートしました。タイ国政府観光庁直営のThailand Privilege Card Co.,Ltd.という会社が担当しており、取得すると最長20年滞在できます。正規代理店は多数あり、日本法人も正規代理店として参入しています。
ここからはタイランドエリートの特徴について詳しくみていきましょう。
1.マルチプルビザ
タイランドエリートはマルチプルビザです。1回入国すると1年間滞在できます。1年以上滞在する場合は手続きをすれば延長して滞在できます。基本的に有効期限は5年ですが、10年メンバーであれば2回、20年メンバーであれば4回発給されます。
2.銀行口座開設
バンコク銀行とカシコン銀行のどちらかに銀行口座を開設できます。
3.入出国時のVIP待遇
タイランドエリート専用の入国審査が用意されており、リムジンでの送迎や日本語でのサポートもあります。
4.メンバーシップ
タイランドエリートにはイージーアクセス、スペリオリティエクステンション、アルティメイトプリビレージ、ファミリープレミアムの4つのメンバーシップがあります。20年長期滞在する場合、基本的にはスペリオリティエクステンションかアルティメイトプリビレージに会員登録しなければなりません。タイランドエリートは会員制のため入会金が必要です。年会費はかかりません。
ビザ3ヵ国比較〜PVIP(マレーシア)VS タイランドエリート(タイ)VS CM2H(カンボジア)〜
カンボジアのCM2Hとタイランドエリートは、政府直系の会社に委託している点、会員制度である点が共通しています。それに対して、マレーシアのPVIPは入国管理局が管轄しており、ビザの発行をするしないというのを判断しています。
ここからは20年の長期滞在を前提として、ビザの種類、年齢制限、収入条件・投資条件、就労の可否、手数料について3ヵ国を比較していきます。
1.ビザの種類
マレーシアとタイは、長期滞在ビザです。それに対して、カンボジアのCM2Hは10年ビザが発行され、その後カンボジア国籍を取得できるという、もはや永住権です。
2.年齢制限
CM2Hには18歳以上という制限があります。それに対して、タイランドエリートとPVIPには年齢制限がありません。そのため、若くして投資ビザで移住したいという方でも、この2国であれば可能です。
3.収入条件・投資条件
タイランドエリートには収入条件がありません。マレーシアは、月120万円以上の収入と3000万円以上の定期預金が必要です。CM2Hは650万円以上の不動産に投資しなければなりません。
4.就労の可否
タイランドエリートは基本的には就労できません。マレーシアとカンボジアは、就労できます。そのため、事業展開も考えて海外移住したいというのであれば、マレーシアかカンボジアを選ぶことになるでしょう。
5.手数料
マレーシアは600万円、カンボジアのCM2Hも650万円の入会金が必要です。タイランドエリートは300万円で20年の長期ビザが買えるので1番コストパフォーマンスが優れているでしょう。
まとめ
今回は東南アジアのプレミアムビザ、特に代表的な国であるマレーシア、タイ、カンボジアについて解説しました。結局、東南アジアの国々は世界中から富裕層を取り込みたいという思惑があり、お金があればビザがもらえると言っても過言ではありません。
ただし、海外移住のニーズに合わせて国やビザを選ぶ必要はあります。海外の事業展開を考えて海外移住する方と、FIRE後の移住先として海外を選ぶ方ではニーズが大きく変わってくるため、ニーズにあったビザを取得するようにしてください。・
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