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マレーシア不動産投資のかつての栄光と光と影

本記事では「ブームにより過熱したマレーシア不動産の光と影」について解説します。

予てから日本人投資家に東南アジア不動産は人気ですが、その火付け役となったのマレーシア不動産投資です。
日本人投資家のみならず、世界中からマレーシアには投資マネーが入り、一大ブームとなりました。
いまとなってはマレーシアの不動産価格は高騰してしまっています。
マレーシアの不動産価格が高騰した要因は、順調な経済成長も一因ですがマレーシア不動産投資ブームによる過熱も一因として挙げられます。

なぜ世界中からマレーシア不動産が注目を集めたのか、そしてマレーシアの不動産価格が高騰した理由を解説します。

1.世界中の投資家から注目されたマレーシア不動産

新興国での不動産投資はキャピタルゲインを狙った不動産投資として人気を博しました。
新興国といえば東南アジアがターゲットとなり、その中でも特にマレーシアは世界中の投資家から注目されました。

注目された理由のひとつは、外国人不動産投資規制が緩かったことが挙げられます。
東南アジア諸国のほとんどが外国人の不動産投資に規制をしています。
新興国であるということは、自国通貨が弱く、自国民の生産性を低いため、自国民の重っ環境を守るためにも不動産投資規制をする必要があります。
マレーシアは、東南アジアにはめずらしく外国人でも土地の売買をすることができます。
外国人の不動産投資規制といえば、購入する不動産の最低不動産価格だけです。
最低不動産価格はマレーシア政府により随時変更されるのでご確認ください。

そしてもうひとつの理由はマレーシアの経済成長です。
人口も増え、GDPは右肩上がりであったため、不動産価格も上昇すると見込まれていました。

2.マレーシア不動産投資を過熱させたデベロッパーと金融機関

マレーシアには不動産投資を中心に世界中から投資資金が集まりました。
マレーシア政府としてはGDPを押し上げる要因として不動産投資を歓迎し、世界中の投資家がマレーシアの不動産投資をしやすい環境を整えました。
加えてマレーシアの不動産デベロッパーや金融機関は、小額の資金でもマレーシア不動産に投資ができる環境を投資家に提供したのです。

2-1.プレビルドプログレスペイメント

世界中の多くの投資家を不動産投資に取り込むために、少額の資金でもマレーシア不動産に投資できる商品にする必要がありました。
それがプレビルドの開発不動産をプログレスペイメントで支払えるという支払い方法です。
少額の申込金を支払うだけでマレーシア不動産投資ができるため、日本のサラリーマンや主婦でもマレーシア不動産投資ができました。
広い層の投資家にマレーシア不動産投資の機会を提供したため、一大ブームの一因となりました。

2-2.外国人でも活用できる不動産ローン

不動産投資といえば不動産ローンを活用してレバレッジを効かせた投資が醍醐味です。
外国人が不動産投資をするときに不動産ローンが活用できる国は、少なからずありマレーシアに限ったことではありません。
ローン割合が50~65%であれば外国人でも不動産ローンを活用できますが、当時のマレーシアはローン割合が80%でマレーシア不動産投資ができました。
いまとなっては禁止されていますが、マレーシア政府は不動産購入活性化の背策としてDIBS(Developer Interest Bearing Scheme)が可能でした。
少額の自己資金でレバレッジの効いた不動産投資ができるため、広い層の投資家がマレーシア不動産に投資をしたのです。

2-3.デベロッパーのディスカウント合戦

一大ブームとなったマレーシア不動産投資に商品を提供しようと不動産開発デベロッパーはたくさん不動産を開発しました。
供給過多になった時期にはデベロッパーは自分たちの開発不動産に投資家を囲い込む必要がありました。
その結果、デベロッパー間によるディスカウント合戦が始まりました。
当初の不動産価格よりも安くマレーシア不動産が購入できるとあり、広い層の投資家がマレーシア不動産に投資したのです。

ディスカウントされたプレビルドの不動産を、プログレスペイメントとDIBS付住宅ローンを活用して購入した場合、投資家は売買諸経費のみでマレーシア不動産を購入できます。
ほとんど自己資金が必要ない不動産投資にも関わらず、マレーシアの経済成長とインフレーションを期待して、キャピタルゲインが得られるということになります。
そもそもマレーシアは新興国で不動産価格はあまり高くありませんでした。
1,500万円程度の高級コンドミニアムが150万円程度で購入できるとあって、2戸、3戸まとめて購入した投資家も多かったのです。
このようなマレーシアの経済環境とマレーシア政府が用意した不動産購入活性化の施策があいまってマレーシアに一大不動産ブームを巻き起こしたのです。

3.かつての栄光からいまマレーシア不動産投資の実態

一大ブームによりマレーシアの不動産価格は高騰してしまいました。
プレビルドの不動産の中には竣工しなかった不動産や竣工しても当時想定した賃料で賃貸管理ができない不動産があるようです。
かつての栄光を経て、いまマレーシア不動産はどのようになっているのでしょうか。

3-1.通貨安による為替損

東南アジアの通貨ではよくあることですが、自国通貨のボラティリティが高いため不動産投資でキャピタルゲインを得られても、為替損により損をしてしまうことがあります。
マレーシアはここ数年通貨安になっており、いまから購入する投資家には有利かもしれませんが、かつて購入した投資家は為替により損をする可能性があります。

3‐2.鈍化した経済成長

かつては順調に経済成長をし、GDPが右肩あがりだったマレーシアもいまでは経済成長が鈍化しています。
高騰してしまった不動産価格で購入した場合、これからの経済成長による不動産価格の上昇は見込めません。

3-3.借主が有利な賃貸事情

マレーシアの不動産は不動産価格が高騰しているにも関わらず、賃料は高くはありません。
賃貸管理でいうと、圧倒的に借主が有利な状況です。
その他、高級ホテルも安く宿泊できるため、長期滞在のニーズも取り込ません。

不動産投資の主たる目的は安定したインカムゲインと売却したときのキャピタルゲインですが、残念ながらマレーシア不動産ではどちらも確保することが難しいでしょう。

まとめ

マレーシア不動産の変遷と現在のマレーシア不動産が取り巻く環境を解説しました。
東南アジアの中には、かつて過熱したマレーシアと同様にこれから過熱する可能性がある国もあります。
歴史は繰り返されるといわれますが、いまから東南アジア不動産投資を検討される方は、マレーシアの事例を参考にしてください。
マレーシアで起こったことは、おそらく不動産投資が過熱する国でも起こるでしょう。

インカムゲインもキャピタルゲインも得られないマレーシア不動産への投資はオススメしません。
新興国での不動産投資は自己資金が少額でもチャレンジできる半面、エマージングマーケットへ投資するということを認識してください。
ハイリスクミドルリターンの投資環境だといえます。
東南アジア不動産投資に取り組まれる方はお気をつけください。

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