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アメリカ不動産の損害保険【虎の巻】不動産投資に欠かせない損害保険

本記事では「アメリカ不動産の損害保険のまとめ」について解説します。
不動産投資には欠かせないのが火災保険をはじめとした損害保険です。自然災害など不動産オーナーではどうしようもない不動産のリスクから不動産オーナーを守ってくれます。日本の不動産の事故率は低いですが、アメリカ不動産の場合想像もできない自然災害が多く、意外と頻繁に損害保険の保険金請求をすることになります。また、訴訟大国であるアメリカは不動産オーナーが入居者や近隣住民から訴えられる可能性も高く、自然災害以外のリスクもあります。
今回はアメリカ不動産の損害保険についてまとめて解説します。

1.アメリカ不動産オーナーであれば必ず入らないといけない損害保険

アメリカ不動産オーナーになったら必ず損害保険に加入しなければなりません。アメリカ不動産の損害保険に加入するにあたって、どのような損害保険に加入しなければならないのでしょうか。
損害保険に加入するにあたって、重要となるのが補償金額と免責金額、損害保険料です。補償金額は保険会社が不動産の価値を算出し、不動産価値を上限に補償金額を設定します。掛け目が高ければ損害保険料が高く、掛け目が低ければ損害保険料が安くなる傾向にあります。また、保険会社は一定の金額を免責金額として設定します。免責金額とは支払われる保険金の中で支払われない金額のことを指します。免責金額が低ければ損額保険料は高く、免責金額が高ければ損害保険料は安くなります。つまり、損害保険料は補償金額と免責金額次第で決まるということです。損害保険料が安くても、十分な補償金額が補償されていなければ意味がありません。

また、日本の不動産では事故率が低く、あまり損害保険で保険金請求をすることがないかもしれませんが、アメリカでは日本人の想像を絶する自然災害や賠償請求に見舞われます。どのようなトラブルに対応した損害保険に加入しなければならないのでしょうか。

1-1.建物への損害保険(火災保険)

損害保険の王道が火災保険です。日本でも必ず火災保険には加入しなければならないため、アメリカ不動産でも当然加入しなければなりません。十分な補償金額となるように注意して火災保険に加入をしましょう。

1-2.損害賠償保険

アメリカは訴訟大国と呼ばれるほど、簡単に損害賠償で訴えられてしまいます。アメリカ不動産オーナーの場合、その不動産で起こったトラブルについて十中八九訴えられることを覚えておきましょう。テナントのみならず、敷地内で起こったトラブルについては近隣や通行人からでも訴えられてしまいます。損害賠償保険は日本であまり馴染みがありませんが、アメリカ不動産オーナーであれば必ず加入しなければならない損害保険です。

1-3.建物への損害保険のオプション

アメリカでは日本人の想像を絶する自然災害に見舞われます。その自然災害はエリアごとに特性があります。例えば、多くの日本人が投資をしているテキサスでは、大きな雹の被害で屋根が損傷するのは日常茶飯事ですし、頻繁にハリケーンの被害にも見舞われます。西海岸であれば地震のリスクがあるため、地震保険への加入も検討しなければなりません。火災保険にそのエリアの特性となる自然災害への補償をオプションで付加しなければ十分なリスク回避とはならないでしょう。

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2.アメリカ不動産への損害保険加入の仕組みとフロー

アメリカ不動産オーナーになったら、すべてのオーナーが損害保険に加入しなければなりませんが、不動産の種類によって損害保険の加入の仕方が変わります。1棟収益不動産や戸建の不動産であれば、建物の躯体部分や設備のすべてがアメリカ不動産オーナーのものになるため、自らが契約者として損害保険の契約をします。一方、コンドミニアムやタウンハウスなどの区分所有の不動産の場合、建物の躯体部分や電気や水道の設備は共用部となり、すべてのオーナーのものになります。共用部はHOAで管理されているため、損害保険もHOAがすべてのオーナーから取りまとめて損害保険契約をすることになります。専有部の損害保険は各オーナーに判断が委ねられますが、一般的に専有部の損害保険に加入しているオーナーは少ないのが現状です。

日本でもアメリカでも損害保険の加入の仕方は変わりません。損害保険の加入申し込みをすると保険会社が不動産の査定をします。損害保険の補償内容と損害保険料を調整した後、正式に損害保険契約をします。その後、保険会社より損害保険料の請求がされるので、損害保険料を支払えば申込した日付に遡って補償が開始されます。損害保険の補償内容や損害保険料が記載された保険証書が手元に届くので、保険証書は大切に保管しましょう。
一般的に損害保険の加入は、AM会社に依頼をすれば手続きをすすめてくれます。AM会社のつき合いのある保険代理店経由で損害保険に加入することになります。ここで気を付けなければならないのが、AM会社と保険代理店のクオリティです。日本の保険会社ほど細かく通知がこないため、AM会社や保険代理店のクオリティが低ければ、損害保険の更新ができなかったり、保険金請求で承認されなかったりと経済的損失が大きくなります。

3.アメリカ不動産の損害保険における保険金請求のポイント

折角、損害保険に加入しているのであれば、アメリカ不動産で自然災害などのトラブルに見舞われたときに保険金が支払わなければ意味がありません。保険金の申請も日本とアメリカで変わりがありませんが、気を付けなければならないポイントがあります。

保険事故が起こった場合、まずは保険会社に保険金を申請します。保険金申請後に保険会社は調査や審査をして保険金支払の可否を決定します。保険会社から無事承認が得られれば保険金は支払われますが、承認が得られなかった場合保険金は支払われません。
保険金申請の承認を得るために気を付けなければならないポイントを解説します。

3-1.保険事故発生から補修工事まで時系列での説明

保険事故が発生したら、テナントの安全を守るためにも至急の対応が必要です。いつ保険事故が発生し補修の依頼をしたか、いつ補修の工事が開始され補修工事が完了したかを時系列で説明できるようにしましょう。PM会社から事故発生の連絡、工事会社への補修の依頼などのメールのやり取りはすべて保管しておくことをオススメします。

3-2.保険事故が起こった現場写真

補修工事を開始する前に保険事故が起こった現場の写真を撮影するようにしましょう。事前にPM会社や工事会社に依頼をしておかなければ、現場の写真を撮影せずに工事を完了してしまうことがしばしばあります。現場の写真がなければ、保険事故発生の現況を報告することができません。

3-3.補修をした工事会社からのレポート

保険事故が発生し、補修を工事会社に依頼することになりますが、どのような工事をしたのか、補修にどのくらいの費用が掛かったかなどを必ず工事会社から書面でレポートを受け取りましょう。工事会社からのレポートがなければ、補修工事の妥当性や保険金事故による経済損失を保険会社に報告することができません。

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4.本当にあった損害保険でのトラブル

アメリカ不動産では、しばしば損害保険が原因となるトラブルが起こります。具体的にどのようなトラブルが起こる可能性があるのかを経験に基づいて解説します。

4-1.損害保険の更新ができないトラブル

アメリカでも日本と同様で、一般的に損害保険は1年更新となります。損害保険を更新する前に、保険会社は保険対象となる不動産の調査や審査をします。不動産に明らかな損傷があったり、瑕疵があった場合には損害保険の更新が断られる場合があります。このケースは意外と多く、不動産の管理がされていなかったり、アメリカ不動産オーナーが補修費をケチって補修していないと損害保険の更新ができません。また、別の保険会社に新規で損害保険の加入を申し出ても、断られるケースがほとんどです。

4-2.損害保険の更新を怠って火災が発生したトラブル

損害保険の更新をせずに放置された不動産で火災が発生した場合、当然保険金は支払われません。火災による経済的損失は莫大なものになります。また、対象の不動産だけではなく火災が発生すれば、近隣の不動産や入居者に対しても影響が及ぶため、火災による経済損失に加え、損害賠償の経済的損失を被るのです。日本やアメリカに限らず、不動産投資をするのであれば、損害保険には必ず加入しなければなりません。

4-3.知らない間に損害保険に加入していない状態に陥ったトラブル

AM会社や保険代理店のクオリティが低いと保険更新の連絡がないまま、無保険の状態になります。保険会社は契約者に対して保険更新の通知は送りますが、通信先がAM会社や保険代理店になっている場合、AM会社や保険代理店からの連絡がなければアメリカ不動産オーナーは保険更新をする必要があることすら知る由もありません。知らない間に無保険の状態に陥るのです。

5.まとめ

日本やアメリカに限らず、不動産投資をするのであれば必ず損害保険には加入しなければなりません。日本では損害保険の提案や契約書が日本語で書かれているため、詳細にわたり損害保険の内容を理解することができますが、アメリカになった途端アメリカ不動産オーナーがあまり損害保険の補償内容を理解せずに加入していることが多く、ほとんどがAM会社PM会社任せになってしまっています。アメリカでは日本人の想像を絶する自然災害にしばしば見舞われてしまいます。自然災害はアメリカ不動産オーナーのみならず、損害保険でしかリスクを回避できません。日本では事故率が低いため、あまり損害保険の保険金申請をすることはないかもしれませんが、アメリカ不動産の場合しばしば自然災害や人的災害に見舞われるため、損害保険の加入の可否、補償内容の充実は大切です。

残念ながら保険事故に見舞われてしまった場合は、テナントの安全を確保することは第一優先ですが、保険金申請が円滑に承認されるよう証憑を準備しなければなりません。AM会社や保険代理店のクオリティが低いと保険金申請の承認は得られないでしょう。不動産投資のリスク回避をするためにもAM会社や保険代理店選びに気をつけましょう。
いま一度、損害保険の補償内容、損害保険料の見直し、AM会社や保険代理店のクオリティを確認しておくことをオススメします。

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