本記事では「海外移住と海外不動産投資で人気のあったマレーシア」について解説します。海外不動産投資の中でも東南アジア不動産投資は、日本人投資家に依然人気があります。東南アジア不動産投資にチャレンジする日本人投資家は、必ずといっていいほどマレーシアでの不動産投資を検討するでしょう。マレーシア不動産投資は日本人投資家にとって、俄然人気なのです。一方、マレーシアは海外移住先としても日本人に人気があります。日本人が移住したい国のナンバーワンを数年間獲得しています。マレーシア人気の要因である海外移住先と海外不動産投資先として、なぜ人気なのか、そしてこれからのマレーシア人気がどうなっていくかについて解説します。
1.日本人が選ぶ海外移住先No,1であった！？マレーシア
マレーシアは数年にわたり日本人が選ぶ海外移住先のナンバーワンを獲得しています。
海外移住先としてマレーシアが人気だった理由を解説します。
1-1.地理的要因
日本人に東南アジアが人気な要因は、まず日本から近いということでしょう。
マレーシアはLCCで航空券を購入すれば、3万円前後で移動することができます。
移動時間は6～8時間で時差も1時間しかありません。
1-2.経済的要因
日本人にマレーシアが人気な要因は、物価が安いことです。 首都のクアラルンプールでも日本の1/3、地方都市のジョホールバルで日本の1/6の生活コストで暮らすことができます。
また、マレーシアはまだ新興国ということもあり経済成長をしているという点も人気の要因です。
1-3.環境的要因
マレーシアに気温の変動はなく、1年中温暖な気候です。
基本の変化がないことは健康にもよく、リタイアメント需要のあるマレーシアは人気となりました。 また、東南アジアでも屈指の英語の通じる国です。
インターナショナルスクールもたくさんあるため、親子で留学というニーズにも応えられます。
1-4.MM2H（長期滞在者用ビザ）
異国で永住権や長期滞在のビザを取得するためには、ある程度の収入と資産が必要です。 マレーシアのMM2H取得の条件は緩く、日本の年金受給者であれば取得できました。
日本人に限らず周辺の国々のリタイアメント需要を取り込んだのです。
2.海外不動産投資先としても人気だった！？マレーシア
東南アジア不動産投資は依然日本人投資家には人気ですが、東南アジア不動産投資を検討する日本人投資家は必ずマレーシアを検討するでしょう。
マレーシアが海外不動産投資先として人気だった理由を解説します。
2-1.外国人不動産投資規制
東南アジア諸国のほとんどは外国人の不動産投資に対して規制を設けています。
外国人マネーのせいで不動産が高騰し、自国民が住環境を確保できなくなるのを防ぐために必要です。
その規制はさまざまですが、マレーシアには外国人不動産投資規制がほとんどありません。 東南アジアで唯一土地も取引できるのがマレーシアです。
唯一の外国人不動産投資規制が、最低不動産価格です。
マレーシア政府により最低不動産価格が変わりますので、随時ご確認ください。
2-2.経済成長によるキャピタルゲイン
先進国は経済が成熟しており、大幅なキャピタルゲインは期待できませんが、新興国であれば急激に経済成長をするため、大幅なキャピタルゲインを期待できます。
マレーシアも東南アジアの新興国であり、急激に都市化がすすみインフラが整備されています。
そのようなマレーシアの経済成長の恩恵であるキャピタルゲインを狙って多くの投資家がマレーシア不動産に投資をしたのです。
2-3.新興国ならではの安価な不動産価格
先進国の首都の中心部とマレーシアのクアラルンプールの中心部の不動産価格を比較すると圧倒的にマレーシアのクアラルンプールの不動産価格の方が安いです。
新興国は1人あたりGDPもまだまだ高くないため、不動産価格も先進国に比べれば安価に感じるでしょう。
安価な不動産価格がマレーシア不動産投資の投資機会を広げ多くの投資家がマレーシア不動産に投資をしました。
3.マレーシア政府による経済対策で一大ブームとなったマレーシア不動産投資
マレーシア政府の経済対策の一環として、不動産取引を活況にする施策がありました。
マレーシア政府を主導として、マレーシアのデベロッパーと金融機関の施策により一大マレーシア不動産ブームを巻き起こしました。
マレーシア不動産の一大ブームの火付け役となったデベロッパーと金融機関の施策を解説します。
3-1.マレーシア不動産のプレビルドとプログレスペイメント
世界中の多くの投資家を不動産投資に取り込むために、少額の資金でもマレーシア不動産に投資できる商品にする必要がありました。
それがプレビルドの開発不動産をプログレスペイメントで支払えるという支払い方法です。 少額の申込金を支払うだけでマレーシア不動産投資ができるため、日本のサラリーマンや主婦でもマレーシア不動産投資ができました。
広い層の投資家にマレーシア不動産投資の機会を提供したため、一大ブームの一因となりました。
3-2.外国人でも活用できる不動産ローン
不動産投資といえば不動産ローンを活用してレバレッジを効かせた投資が醍醐味です。
外国人が不動産投資をするときに不動産ローンが活用できる国は、少なからずありマレーシアに限ったことではありません。
ローン割合が50～65％であれば外国人でも不動産ローンを活用できますが、当時のマレーシアはローン割合が80％でマレーシア不動産投資ができました。
いまとなっては禁止されていますが、マレーシア政府は不動産購入活性化の背策としてDIBS（Developer Interest Bearing Scheme）が可能でした。
少額の自己資金でレバレッジの効いた不動産投資ができるため、広い層の投資家がマレーシア不動産に投資をしたのです。
3-3.マレーシアのデベロッパーによるディスカウント合戦
一大ブームとなったマレーシア不動産投資に商品を提供しようと不動産開発デベロッパーはたくさん不動産を開発しました。
供給過多になった時期にはデベロッパーは自分たちの開発不動産に投資家を囲い込む必要がありました。
その結果、デベロッパー間によるディスカウント合戦が始まりました。
当初の不動産価格よりも安くマレーシア不動産が購入できるとあり、広い層の投資家がマレーシア不動産に投資したのです。
ディスカウントされたプレビルドの不動産を、プログレスペイメントとDIBS付住宅ローンを活用して購入した場合、投資家は売買諸経費のみでマレーシア不動産を購入できます。
ほとんど自己資金が必要ない不動産投資にも関わらず、マレーシアの経済成長とインフレーションを期待して、キャピタルゲインが得られるということになります。
そもそもマレーシアは新興国で不動産価格はあまり高くありませんでした。
1,500万円程度の高級コンドミニアムが150万円程度で購入できるとあって、2戸、3戸まとめて購入した投資家も多かったのです。
このようなマレーシアの経済環境とマレーシア政府が用意した不動産購入活性化の施策があいまってマレーシアに一大不動産ブームを巻き起こしたのです。
4.これからのマレーシア人気の行く末は…
海外移住先と海外不動産投資先の両輪で人気のあったマレーシアにも陰りが見え始めました。
海外移住先としての変化と海外不動産投資先としての変化を解説します。
4-1.マレーシアMM2H改悪
パンデミックにより一時中断していたMM2Hの手続きが再開されましたが、もともとの条件とは大幅に違うものでした。
主には所得と資産の条件ですが、所得と資産の基準が大幅に上がり改悪となってしまいました。
さらにもともとの条件でMM2Hを取得していた外国人に対しても、あらたな条件を遡及するとのことなので、マレーシアはある一定の外国人を追い出したいようです。
多くの外国人が長期滞在しているマレーシアの不動産市況にも影響を与えそうです。
4-2.鈍化した経済成長
マレーシアは新興国で急激に経済成長を遂げていました。
だんだんと成熟してきて、いまとなってはシンガポールに次ぐ経済規模を誇ります。
これからはひと昔前のような急激な経済成長はしないでしょう。
それに伴いマレーシア不動産投資で大幅なキャピタルゲインを狙うのは難しくなっていきます。
4-3.マレーシアは賃貸の方が有利
マレーシア不動産の一大ブームにより、いまのマレーシアは不動産の供給過多の状態にあります。
さらに不動産投資の競合がホテルやサービスアパートメントとなるため、競合も多いのが現状です。
そのようなマレーシアでは、高級コンドミニアムでも非常に安く借りることができます。 不動産投資という意味では東南アジア諸国に比べ圧倒的に利回りが低くなっています。
まとめ
ひと昔前は優良な移住先であり、不動産投資先であったマレーシアには多いな変化が起こっています。
海外移住先という意味ではMM2Hの改悪は大きなインパクトとなるでしょう。
今後日本人に限らずマレーシアへ移住できる外国人は少なくなりそうです。
また、海外不動産投資先としてもひと昔前のような投資効果は見込めず、新興国への不動産投資の魅力が薄れていくでしょう。
マレーシアに長期滞在するのであれば、賃貸が有利です。
海外移住先としても海外不動産投資としても魅力の薄れるマレーシアの人気は落ちていくことが予想されます。
これからマレーシア不動産投資にチャレンジする方は慎重に検討されることをオススメします。
マレーシア不動産投資に興味がある方は、以下のリンクよりお気軽にお問合せください。
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