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【マレーシアビジネス】イスラム圏への海外進出!イスラム教とムスリムの基礎知識

本記事では、マレーシアなどのイスラム圏でビジネスをする際に知っておきたいイスラム教とムスリムについて解説していきます。まずは、イスラム教とは何か、近年なぜイスラム市場が注目されているのかについて解説します。次に、代表的なムスリムの習慣と考え方について、最後にムスリムの禁止事項についてみていきます。個人の宗教の思想や思考ではなく、あくまでもビジネスをする際に気をつけるべきこと、念頭に置くべきことに限定して解説します。ぜひ最後までお読みください。

イスラム教の基礎知識と急成長するハラルマーケット

イスラム教とは

まずは、イスラム教についてみていきましょう。

日本人の中にはニュースなどでテロが起こったときにイスラム教のシーア派などと話題になるため、あまりいいイメージを持たれていない方もいるかもしれませんが、実際にはそのようなことはありません。

イスラム教は世界三大宗教の1つで、イスラム教、キリスト教、仏教が三大宗教と言われています。

もともとはユダヤ教やキリスト教と同じルーツを持つ一神教の宗教で、唯一の神はアッラーです。ムハンマドによって啓示されました。聖典、キリスト教でいう経典・聖書がクルアーンです。日本語ではコーランの方が馴染みがあるかもしれません。

イスラム教徒のことをムスリムと呼びます。

イスラム暦は太陰暦を用います。日本では太陽暦のため365日で1年が回っていますが、イスラムの世界ではイスラム暦(太陰暦)が使われているため、1年は354日です。イスラム教の地域では砂漠が多く、どちらかというと太陽よりも月に対しての信仰が強いため、太陰暦が用いられていると言われています。

ここからは、簡単にイスラム教の考え方や教えについて解説していきます。

イスラム教では「人間とは、かくも弱い生き物だ」という考え方が大前提にあります。イスラム教は禁止事項や制約が多かったり、守るべきことが多かったりする印象があるかもしれませんが、それはすべて人間がかくも弱い生き物だからであり、コーランやアッラーに対して教典に従って行動していくのです。

そのため、ビジネスにおいてムスリムの方々と契約する場合「弱い人間同士が結ぶものが契約であり、契約書に書かれたことが絶対」ということを前提に付き合う必要があります。

また、ムスリムの優先順位では、一番は唯一の神アッラーです。アッラーがすべてにおいて優先されるというのをまず念頭に置いておかなければなりません。そしてその次に自分の家族、最後に人間関係や仕事という順位になります。そのため、例えばイスラムの地域に行くと仕事が適当だとか、あまり働かないという印象を受ける日本人もいるようですが、そもそもの価値観が違うのです。

さらに、流れているものが良くて、留まっているものがダメという考え方をします。つまり、フローが大事、ストックはダメなのです。基本的にはお金もそうです。水も流れている水が綺麗、貯まっている水が汚いという考え方をします。

イスラムマーケット

ここからはイスラムマーケットについて解説していきます。

イスラム教の方(ムスリム)は世界各国で非常に多く、一番多いのはアフリカで5億人、次いでサウジアラビア、イラン、パキスタン、インドなどにも多いです。また東南アジア、アジア諸国にも多く、インドネシアでは2.2億人ほどおり、ムスリムのマーケットだと言われています。マレーシアにも2000万人で6割ほどいます。

実は、日本にも20万人のムスリムがいると言われています。

世界の宗教人口をみてみると、キリスト教が約30%、イスラム教が約25%、そしてヒンドゥ教、仏教と続きますが、近年イスラム教徒のムスリムがどんどん増えており、唯一増え続けてる宗教だと言われています。今は25%ほどですが、2030年には26〜27%、将来的には約30%の方がムスリムになるのではないかと言われています。

これらのことから、ハラル市場(イスラム教の市場)はどんどん急拡大しており、2020年では約274兆円、2025年には約329兆円の市場になると言われています。

ハラル市場の中では加工肉や調味料といったフード市場が圧倒的に多く、次いで化粧品、教育と続きます。

ハラル市場の中のフード市場の推移をみてみると、2016年を起点に急激に増えています。これはマレーシアに限らず、インドネシアやシンガポールなど各国とも同じような状況です。

また日本にいても訪日の観光客などムスリムと触れる機会はどんどん増えるでしょう。最近では日本でもハラル認証を受けたメニューなどを提供する飲食店も増えています。例えばカレーハウスCoCo壱番屋がハラルのメニューを出したり、看板の色を変えたりするといった取り組みをして話題になりました。日本でインバウンドのマーケットを狙う場合には、イスラム教やムスリムは無視できないでしょう。

イスラム教徒であるムスリムの掟と習慣

ここからはムスリムの習慣や考え方について解説します。

ムスリムでは「六信五行」が課せられています。「六信」というのは、信じるものが6個あるということです。また、「五行」というのがムスリムの生活習慣になります。詳しくみていきましょう。

信仰の告白

神を信じるということを口にするということです。礼拝のときに喋りながら礼拝をするというのがアッラーに対する信仰の告白になります。

礼拝

礼拝は1日5回あります。夜明け前、正午、午後、夕方、夜です。ムスリムにとってこの礼拝はとても大事です。先述した通り、仕事や家族よりも優先して神が大事なので、神に対して接点があったり、信仰の告白をするのは当然のことなのです。ですので、ムスリムの方と仕事をするときは1日5回の礼拝の時間を確保することをおすすめします。

喜捨

喜捨とは、富めるものは貧しいものに与えましょうという意味です。先述の通り、ストックではなくフローという考え方をするので、儲かっている人たちは貧しい人たちに分け与えなさいという意味合いになります。

断食

ラマダンという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、1年の中で1ヵ月だけ断食するという習慣です。これは日本でいうファスティングのように全く何も食べないというわけではなく、日が出てからは何も食べないというものです。ですので、日が上がっていない時間にはちょっとした小食、軽食などは食べられます。

ただし、イスラム暦は太陰暦を使っており、太陽暦とは毎年10日ずつずれます。そのため、1年のうちのいつがラマダンの季節だというのは決まっておらず、毎年確認が必要です。

巡礼

五行の中で、一生のうちに一度はメッカに巡礼に行きましょうと決められています。そのため、メッカはムスリムにとって憧れです。ムスリムの方がメッカに行くとなれば喜んであげましょう。

イスラム教徒であるムスリムの禁止事項

最後に、ムスリムが禁止されていることについて解説していきます。これらは押さえておかないとムスリムに対して失礼になる可能性があるので、しっかり確認しておきましょう。

豚肉、豚肉由来の食品は禁止

コーランの中で豚は不浄な動物だと書かれているため、豚を食べるということは禁止されています。

マレーシアではムスリムだけでなく、ヒンドゥー教の方もいます。ヒンドゥー教では牛肉を禁止しているため、いろいろな宗教の方と食事をする際は気遣いが必要です。

アルコール禁止

イスラム教では「かくも弱い人間」がアルコールを飲むと犯罪を犯したりしてしまうと考えられることから、アルコールを禁止しています。

ここで注意が必要なのがみりんです。寿司などの日本食ではみりんがよく使われますが、みりんはお酒です。ですので、ムスリムの方と会食する際は気をつけましょう。

ヒジャブ

ヒジャブとは、ムスリムの方がかぶっている髪の毛などを隠すものです。基本的に女性は肌と髪を見せるのを禁止しているので、ヒジャブと長袖長ズボンを着用し、肌は一切見せません。

これも、もともとの考え方として、かくも弱い人間の男性が女性の綺麗なところを見てしまうと、不埒な気持ちを持ってしまうため、見せない方が犯罪は少なくなるということから禁止されています。

異性間のスキンシップは禁止

基本的には家族以外と肌を触れ合うのを禁止しています。そのため、挨拶のための握手も禁止です。また、肌に触れるようなサービスでムスリムのマーケットに参入しようと考える場合も注意が必要です。例えば女性の従業員を雇って男性に触れるというのも禁止されています。

利子を取ることを禁止

実際にイスラム銀には利子はありません。これも流れるものは良くて、貯まっているものはダメという考えからで、貯まっているもの、つまり預金から得られる利子を禁止しているのです。

今回は主だったものを挙げましたが、禁止事項は他にもあります。ムスリムは本当に信じて食べなかったり、飲まなかったりという行動をしているので、ひとつ間違うと大変なことになりかねません。しっかり認識しておきましょう。

まとめ

今回は、イスラム市場、ムスリムについて解説しました。

イスラム市場は急成長しており、当然ムスリムの数も増えています。日本にいながらでもインバウンドの売り上げを確保したいのであれば、ムスリムやイスラム教への理解は必要です。日本でもハラル認証は受けられるので、興味ある方は視野に入れてみてもいいでしょう。

イスラム圏では、イスラム教やムスリムの文化の理解を一歩間違うと、逮捕されてしまう場合もあります。そのため、イスラム圏でビジネスを展開するのであれば、正しい知識を持ち、正しい対応をする必要があります。

海外不動産のホントのトコロでは、マレーシアの事業進出のお手伝いをさせていただいておりますので、ご興味ある方は、お問い合わせください。

 

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