本記事では「日本人が海外投資をする必要性と海外投資の方法」について解説します。どの国にもカントリーリスクがあり、もちろん日本にもカントリーリスクがあります。日本のカントリーリスクを回避しようとして海外投資をはじめようにも、日本は金融鎖国ともいえるくらい規制が厳しく、外貨で投資をする環境に恵まれていません。日本人が海外投資をしなければならない必要性と海外投資の方法を解説します。
1.日本人が海外投資をしなければならないカントリーリスク
日本で暮らしていると社会情勢は安定しているかのように感じ、平和なためあまり問題意識をもっていない日本人がほとんどです。どの国にもカントリーリスクがあるように、日本にもカントリーリスクがあります。カントリーリスクを回避するためには海外投資が必要ですが、日本人が海外投資をしなければならない日本のカントリーリスクについて解説します。
1.いますぐ起こり得るスタグフレーション
スタグフレーションとは、景気が悪い状態でインフレーションが起こることをいいます。インフレーションは日本政府の長年の目標ですが、インフレーションにもよいインフレーションと悪いインフレーションがあります。残念ながら日本で起こるインフレーションは悪いインフレーションです。円安によりコストが上がりインフレーションになる状態で、賃金が上がらない環境下でインフレーションが起こるとスタグフレーションになる可能性が高い状態です。
2.財政破綻による預金封鎖
日本の借金は上がり続けています。日本銀行がお金を刷り続ければ財政破綻はないと言われていますが、本当に財政破綻しないのでしょうか。実は預金封鎖は財政破綻した外国でも実行されており、記憶に新しい国でいえばアルゼンチンやギリシャが預金封鎖をしています。ちなみに日本も戦後1946年に預金封鎖をしています。いまではあり得ないことかもしれませんが、財政破綻による預金封鎖はどの国でも起こり得るのです。
3.預金封鎖とセットのデノミネーション
財政破綻による預金封鎖を実行するとハイパーインフレーションの状態になります。そもそも通貨の価値がほとんどなくなり、紙切れ同然の状態となります。預金封鎖とセットで実行されるのがデノミネーションです。預金封鎖により金融機関にある資金に資産税を貸すことにより、その資金のほとんどを税金として徴収します。その後、新紙幣を発行するのがデノミネーションです。日本も2024年に新紙幣が発行される予定で、福沢諭吉から渋沢栄一に変わります。まことしやかにデノミネーションの噂は絶えません。
2.日本のカントリーリスクを回避する方法
日本のカントリーリスクであるスタグフレーション、預金封鎖、デノミネーションが起これば資産を維持することはできません。日本のカントリーリスクから資産を守る方法を解説します。
2-1.外貨をもつ
日本円の価値がなくなっても外貨であれば資産を守ることができます。IMFのSDRが5つの通貨でリスクヘッジをしているように、ポートフォリオに外貨を組み込むようにしましょう。IMFのSDRの比率はアメリカドルとユーロで70%を超えます。積極的にアメリカドルやユーロで資産形成をするようにしましょう。
2-2.海外の金融機関の口座をもつ
日本の金融機関で預金封鎖されても、海外の金融機関の口座は封鎖されないため資産を守ることができます。いまでは日本にいながら海外の銀行口座や証券口座の口座開設ができるので、資産の回避先として準備をしておくことをオススメします。
2-3.現物資産をもつ
不動産や金といった現物資産をもつことで、インフレーションや預金封鎖から資金を守ることができます。不動産や金などの現物資産の特徴は価値がなくならないことです。インフレーションとともに価格は上昇し、預金封鎖をされても現物を売却すれば資金を確保できるため資産を守るためには有効な手段です。
3.日本人が海外投資をするためにオススメの金融機関と金融サービス
3-1.【銀行】ユニオンバンク
三菱フィナンシャルグループのアメリカの銀行であるユニオンバンクは日本にいながらアメリカに銀行口座開設ができます。2022年6月を目途にUS Bankに株式譲渡されるため、日本人へのサービスを継続するか注目されています。もしアメリカの銀行口座が必要であれば早めに開設することをオススメします。
3-2.【銀行】三井住友信託銀行プレスティア
前身はアメリカのメガバンクであるシティグループだけあって、日本の金融機関の中でも外貨送金や外貨預金に長けた銀行です。外貨預金の通貨の種類もトップクラスで、キャンペーンも多いので日本で外貨をもつのであれば三井住友信託銀行プレスティアをオススメします。
3-3.【サービス】WISE
日本からの海外送金の手続きは煩雑で時間を要するため、海外送金と聞いただけで敬遠する方も多いでしょう。安価な手数料で簡単に海外送金を実現する金融サービスがWISEです。アカウント開設には本人確認が必要ですが、すべてオンラインで完結するため日本にいながらサービスを開始することができます。
3-4.【証券】フィリップ証券
シンガポールの証券会社であるフィリップ証券は日本にいながら海外の証券口座が解説できる証券会社です。日本語サポートもあるので困ったときにも安心です。シンガポールの証券口座というだけあって、世界中の証券市場にアクセスでき、多くの通貨で取引ができます。日本では不便な外貨での投資も、フィリップ証券であれば簡単に投資ができます。
3-5.【暗号資産】バイナンス
日本での暗号資産投資は金融庁の規制が厳しいため、十分な環境とはいえません。取扱いの通貨の種類が少ない、ステーブルコインの取扱いがない、暗号資産の入出金に制限があるなど使い勝手が悪いです。バイナンスは、世界一のユーザー数と取引数を誇る暗号資産取引所です。日本語サポートも充実しているので暗号資産取引をするならバイナンスのアカウント開設をオススメします。
4.まとめ
日本のカントリーリスクを解説しましたが、いますぐに起こるものではありません。ただ絶対起こらないという確証はないということを覚えておきましょう。預金封鎖やデノミネーションが起こった場合、海外に資産を移すことは難しくなるでしょう。「備えあれば患いなし」の言葉の通り、日本が平和ないま海外投資ができる環境を整えておくべきです。
海外投資と聞くとハードルが高く二の足を踏む方も多いでしょうが、海外投資は意外と簡単です。いま世界はボーダレスになっており、日本にいながらでも海外投資ができる環境はあります。あとは勇気をもってやるか、やらないかだけです。海外での投資の方が投資効果が得られるので、海外投資をしていない方との差が開く一方です。
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