本記事では「アメリカ・ユニオンバンクのサービス改悪」について解説します。アメリカのユニオンバンクは三菱UFJフィナンシャルグループということもあり、日本人に手厚いサービスを提供し、日本にいながらアメリカの銀行口座を開設できる唯一の銀行でした。2021年にUS Bankに全株式を譲渡することが発表されましたが、その後2022年12月に三菱UFJフィナンシャルグループがもつユニオンバンク株がすべてUS Bankへ譲渡が完了しました。売却が完了したことを受け、ユニオンバンクのサービスの改悪がはじまっています。
今回は、ユニオンバンクのサービスの改悪と今後起こり得る問題と対策について解説します。
1.遂にユニオンバンクの新規口座受付が停止
いままで三菱UFJ銀行のホームページから新規口座開設の手続きができていたカリフォルニア・アカウントプログラムのサービス停止が発表されました。2022年11月22日以降は新規口座開設の手続きを停止し、駆け込みで手続きをした方が多く新規口座開設までに多くの時間を要します。
三菱UFJ銀行からの通達を確認すると新規口座開設手続きのサービスのみを停止し、既存のユニオンバンクのサービスに変更はないということがわかります。また、三菱UFJ銀行としても海外留学や赴任、移住のニーズに応えるために代替サービスを検討している旨が書かれています。
三菱UFJ銀行からUS Bankへすべての株式が譲渡されるのは、2022年6月に予定がされていましたが、実際にすべての株式が譲渡されるには時間がかかりました。2022年10月にアメリカ連邦準備理事会(FRB)とアメリカ通貨監督庁(OCC)が承認をし、2022年12月にユニオンバンクの株式のすべてが三菱UFJフィナンシャルグループからUS Bankへ譲渡され売却が完了しました。予定よりも6ヵ月程度遅れたことになります。
アメリカ当局の承認を得たことから、新規口座開設の受付を11月に停止したというワケです。
2.売却後のユニオンバンクでいま何が起こっているか
既にユニオンバンクの株式はすべてUS Bankに売却が完了しています。つまり、もはやユニオンバンクは三菱フィナンシャルグループとは関係がないということです。いままでの日本人に対する手厚いサービスは継続することはなく、金融サービスが改悪したとしても三菱UFJフィナンシャルグループはどうすることもできないのです。
現在のユニオンバンクの金融サービスは三菱UFJフィナンシャルグループからUS Bankへの移行期間だと考えられます。 売却が完了した後、ユニオンバンクのサービスがどのようになっているかを解説します。
2-1.日本語サポートに連絡が取りずらい
アメリカと日本は時差があるため、日本人が日本語サポートに連絡するのは午前中が多いです。いままでユニオンバンクの日本語サポートデスクに連絡すれば、比較的スムーズに受付がされ要件を伝えることができました。ユニオンバンクが売却された後は段々と受付がされるまでの時間が伸びています。忙しい午前中に連絡しているにも関わらず、電話がつながるまでに多くの時間を要するようになりました。
2-2.金融取引に時間がかかる
アメリカから日本への送金などの金融取引が滞っています。いままでは日本語サポートから丁寧な説明を受け書類や口頭で金融取引の指示ができましたが、いまではインターネットバンキングのロック解除だけでも時間がかかり、海外送金手続きには多くの時間を要します。手続きに漏れがあったり、そもそも忘れられたりしているケースも散見されます。
2-3.新規口座開設受付の停止
ユニオンバンクは日本に居ながらアメリカの口座を開設できる唯一の銀行でしたが、US Bankへの売却が完了したいま新規口座開設の受付が停止されました。今後、復活する見込みはなく、これで日本に居ながらアメリカに口座開設ができる銀行はなくなってしまいました。
3.ユニオンバンクのサービス改悪は必至
US Bankはユニオンバンクを譲受してすぐに日本人の新規口座開設を停止したことになります。いままでは日系金融機関である三菱UFJフィナンシャルグループだから日本人に手厚いサービスを提供していましたが、ユニオンバンクはすでにアメリカの金融機関となりました。これからいままでのような日本人に対する手厚いサービスが継続されることは考えづらいでしょう。
ユニオンバンクの金融サービスがどのような改悪になるかを解説します。
3-1.日本語サポートサービスの廃止
アメリカの金融機関の中で日本語のサポートをしている金融機関はほとんどありません。つまり、これからはインターネットバンキングがロックしたり、海外送金の問い合わせ、その他金融サービスの問い合わせもすべて英語で問い合わせなければなりません。日常会話であれば英語で対応できる投資家も金融に関する専門用語も多い英語の問い合わせには手こずることでしょう。
3-2.日本への海外送金サービスの改悪
US Bankのインターネットバンキングでは海外送金ができず、海外送金は基本的には窓口でしか受け付けていません。つまり、これからユニオンバンクではインターネットバンキングやサポートデスクを通じた海外送金ができなくなる可能性が高いということです。アメリカへ海外出張がある投資家であれば問題ないでしょうが、頻繁にアメリカに行かない投資家であればアメリカで資金が停滞する可能性があります。
3-3.相続に関する手続きへの対応~プロベートへの対応
アメリカ資産をもった状態で相続が発生した場合、プロベートの対象となります。いままでは三菱UFJ銀行が書類を作成したり、アドバイスをしたりしていましたが、今後このようなサービスがなくなる可能性が高いです。プロベートは専門的な知識がなければ対応ができず、アメリカの弁護士や税理士といった専門家が担当するケースがほとんどです。そのまま資産を放っておくことになる可能性があります。
4.まとめ
ユニオンバンクの金融サービスが改悪になるのは避けては通れないでしょう。日本語サポートもなくなり、機能性もなくなり、資産が停滞する可能性が高くなります。これへの対策は、他の金融機関に預け替えるしか方法はありません。日本に一時的に避難してもいいでしょうし、アメリカに新たな銀行口座を開設したり、シンガポールに新たな銀行口座を開設したりしてもいいでしょう。いずれサービスが改悪してから行動しても遅く、早めに起こることを想像し行動することをオススメします。
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