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海外不動産の節税効果を含めた損益分岐点の考え方

本記事では「海外不動産の節税効果を含めた損益分岐点の確認」について解説します。2020年の税制改正で海外不動産を活用した節税スキームは終焉を迎えましたが、来年あたりに長期譲渡になる人も多くいるでしょう。このような環境下で、値下がりを覚悟して早めに売却したいという人が増えています。なるべく利益を大きくするためには、節税効果を含めた損益分岐点を知っておくことが重要です。どのくらいであれば海外不動産を売却しても損をしないか、売却した際の手残りはどうなるのか、節税効果を含めた損益分岐点ついて解説をしていきます。なお、人により前提条件は異なるので、今回は概算でお伝えしていきます。

1,800万円越、4,000万円未満のケース

今回は、購入層として最も多いと思われる1,800万円超、4,000万円未満のケースをモデルに、節税効果を含めた損益分岐点の解説をすすめます。

ちなみに所得税が40%程度、住民税が10%で、合計約50%を税率とします。

海外不動産が最短で長期譲渡になるのに必要な期間は、5年と1ヵ月です。ただし、今回は概算なので運用期間5年間とします。年間の実質利回りは3%、建物比率80%とします。

節税効果を含めた損益分岐点を計算する前に、購入費用を整理

まずは購入時に掛かる費用を整理しましょう。

今回のケースでは、売買諸経費で▲1%程度、日本の海外不動産屋に▲3%程度支払っていると思われます。

続いて、運用期間中5年の利回りは15%、半分を税金で支払うので、運用の実質利回りは7.5%です。

続いて節税効果は、節税効果のある4年間が対象です。今回は80%の節税、50%が還付されるので、40%の利回りとなります。

最後に売却の際の売買諸経費▲1%、アメリカでの仲介手数料6%、更に日本の不動産屋に▲3%を支払います。

最後に日本国に長期譲渡税を20%支払ったとして、建物比率が80%なので、▲16%となります。

節税効果を含めた損益分岐点を計算してみよう

節税効果を含めた損益分岐点を算出するには、すべてを足し算、引き算しましょう。

今回の例では、節税効果+運用利回で47.5%から、売買の際に掛かる費用+長期譲渡税で30%を引くと17.5%となります。節税効果を含めた損益分岐点は20%前後になるケースがほとんどでしょう。

不動産会社のシュミレーションは参考程度に

購入時に海外不動産会社の提示しているシュミレーションには、売却の際に掛かる約10%を加味していないことがほとんどです。

これは購入価格と売却価格が同じ金額だとしたシュミレーションです。残るプラスの要因はキャピタルゲイン、マイナスの要因は金利しかありません。融資を受けられていて3%前後の金利を支払っているとしたら、10%程度は損益分岐点となります。

損益分岐点を計算するには、源泉税も考慮しよう

続いて手残りする資金について考えます。

先ほど、節税効果を含めた損益分岐点を算出しましたが、最終的な手残り金額ではアメリカでの源泉税を考慮しなければなりません。

アメリカでは源泉税が15%程度かかります。源泉税を差し引くと5%が手残り、数年後に源泉税の15%が返ってくるということになります。

「海外不動産を節税で購入したけど、あまり手残りがない」という人が多いのは、今回お伝えしたようなことが理由です。不動産売却しても、そのときには5%しか手残りがないのです。

世界情勢を見ながら、損益分岐点を計算しよう

節税目的でも純投資でも、不動産投資はインカムゲインキャピタルゲインをしっかり稼げないと勝てません。節税はおまけのようなものです。

インカムゲインが不安定な場合や、購入価格より下回る売却金額の場合、長期譲渡を待たずに売却するか長期保有が選択肢となるでしょう。

不動産の取引や運用において、一寸先は闇。世界の情勢がどんどんと変化する中で、損益分岐点を計算しながら、早めに判断することをおすすめしています。

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