本記事では「金投資」について解説します。
アメリカの金利上昇局面でアメリカ株が下落すると見込まれています。また、金利上昇により不動産の住宅ローン金利が上昇していることもあり、アメリカ不動産価格も軟調になるでしょう。世界的な経済情勢の悪化や有事が起こると「金」に注目が集まります。
今回はなぜ情勢不安や有事が起こると「金」に注目が集まるのか、「金」の特徴を中心に解説します。
1.「金」投資のメリット・デメリット
「金」の最大のメリットは世界共通の現物資産であることです。世界のどこでも換金性があり、「金」の価値がなくなることはありません。歴史的にも世界で金本位制を採用していたこともあり「金」は絶大な信頼を得ています。株式は会社が倒産してしまうと紙切れになってしまいます。債券や通貨も国が財政破綻してしまうと紙切れになってしまいます。「金」であれば価値はなくなりません。
このような「金」の特徴は、世界的なショックに強いと言われています。過去、「金」の価格が上昇した局面はすべて世界的に有事が起こった時です。第二次石油危機、同時多発テロ、リーマンショック、パンデミックと世界の情勢が不安定になれば「金」の価格が上昇していることから有事の「金」といわれているのです。
また、「金」はインフレーション対策にも用いられます。インフレーションの対策には現物資産が有効とされており、「金」などのコモディティや不動産が活用されています。インフレーションとは通貨の価値が下がる状態なので、現物資産であればインフレーションに合わせて価格が上昇することからインフレーションを回避できると考えられています。 「金」が世界的な有事に強く、インフレーションに強いのは「金」の価値が保たれているためです。「金」は埋蔵量が決まっており、流通している「金」にも限りがあります。そのため、希少性があります。また、「金」は錆びたり壊れたり劣化することはありません。
一方、「金」投資のデメリットもあります。「金」投資の最大のデメリットは、利子や配当といったお金を生み出すことができないことです。よく「金」投資という言葉を耳にしますが、実はお金を生み出さない「金」が投資の対象となることはありません。「金」は売買による差益しか得られないからです。
また、「金」は売買手数料や保管手数料が、株式やETFといった金融商品よりも高い傾向にあります。「金」は現物資産になるため、売買手数料が高く、保管料も高いのです。保管料を節約するために自分で保管したとしても、自宅での保管は安全上問題があるので一般的には銀行の貸金庫などで保管をすることになるでしょう。
2.リスクヘッジのポートフォリオとして有効な「金」
「金」はローリスクローリターンのコモディティです。「金」はその特徴から、情勢不安や有事が起こったときの資産の回避先として活用されてきました。アメリカの代表的な経済指標であるS&P500と「金」の過去40年の価格推移を比較すると、S&P500が40倍になっているのに比べ、「金」は3倍にしかなっていません。投資効果だけで比較すると圧倒的にアメリカ株に投資をした方が投資効果が高いのです。「金」の価格が上昇したのは、アメリカを中心とした情勢不安や有事が起こったときです。過去の価格推移をみても「金」をメインにするのではなく、リスクヘッジのために一部ポートフォリオとして組み込むか、情勢不安や有事が起こったときの一時的な資産回避先として活用するべきでしょう。
いま世界的にも「金」が注目されているのは、いつ収束するかわからないロシアを中心とした情勢やアメリカの継続的な金利上昇観測など、「金」の特徴を発揮する可能性が高い局面にあるからです。すでに世界的にインフレーションが起こっているため、「金」を買うタイミングではないかもしれませんが、リスクヘッジのために「金」をもつことも考えてみてもいいでしょう。
3.「金」への投資方法
「金」をポートフォリオの一部として組み込みたいときの「金」への投資方法を紹介します。
3-1.現物資産として「金」を買って、保管する
一番わかりやすい「金」への投資方法は、現物資産として「金」を買って、保管することです。一括で買うこともできますし、純金積み立てでコツコツ買うこともできます。田中貴金属や三菱マテリアルが有名ですが、最近ではどの証券会社も「金」を取り扱っているため、簡単に「金」を買って、保管することができるでしょう。
「金」を現物資産として買って、保管するという投資方法は売買手数料や保管料が高くなる傾向にあるので注意が必要です。
3-2.「金」投資対象とするETFや投資信託に投資する
「金」に投資する方法としてもっとも簡単にもっとも安く投資できるのが、「金」をテーマとしたETFや投資信託に投資する方法です。売買手数料や口座維持手数料はその他の金融商品と変わらないため、安く「金」に投資をすることができます。 世界的に有名なGLDやGLDMといったETFに投資することをオススメします。
3-3.「金」を生業としている企業に投資する~金鉱株
「金」を生業としている企業に投資をする方法もあります。一般的に「金」の価格と金鉱株の株価はパラレルになります。「金」の価格が上がることにより、企業の利益が増えるためにパラレルになります。日本の企業であれば住友金属鉱山、海外の企業であればバリックゴールドが代表的な金鉱株になります。
金鉱株の個別株式に投資する場合、その企業の売上や損益が株価に影響するため、純粋に「金」の価格だけが株価に影響するわけではないのでご注意ください。
4.投資をするならアメリカドル脳をもて!
コモディティや暗号資産の中にはアメリカドルを基軸としている商品がたくさんあります。例えば、「金」や石油、ビットコインやイーサリアムもアメリカドルを基軸にしています。最近ではアメリカドル建てではビットコインは価格変動がなかったにも関わらず、日本円建てでは価格が急上昇していることがありました。これはビットコインの価値が上がったのではなく、ただただ円安によりアメリカドルの価値が上がったことが原因です。これは「金」やその他の商品でも同じことが起こっています。
アメリカドルを基軸にしている商品では、日本人は必ず為替の影響を受けます。結果的に日本円建てで資産が増えているので問題ないのかもしれませんが、正確な価値がわからないということは正しい投資判断ができているとはいえません。正しい投資判断をするためには、国際基軸通貨であるアメリカドルを基に情報を収集し、投資の判断をする考え方が必要です。最近ではアメリカ株に投資する日本人が増えました。海外投資をするのであれば、アメリカドルを基軸に投資を考えることは必須です。
5.まとめ
「金」の特徴を中心に活用方法や投資方法を解説しました。現代は世界情勢が不安定になりがちで、ボーダレスのため他国の影響を受けやすい環境にあります。有事の「金」といわれるだけあり、リスクヘッジのために「金」をポートフォリオに組み込むことは有効です。アメリカ株だけに投資をしていた場合とアメリカ株の中に「金」をポートフォリオに組み込んだ場合を比べると、実は「金」をポートフォリオに組み込んだ方がパフォーマンスは高いのです。手数料が安い上に流動性も高い状態で「金」へ投資ができるので、「金」への投資はETFや投資信託に投資をするのがオススメです。
iDecoで老後資産形成をしている方は、株式が下落する局面で投資をする先がわからない場合もあるでしょう。iDecoは引き出しもできず、現金にすることもできず、iDeco内の投資信託で資産形成をする必要があります。iDeco内には必ず定期預金や生命保険といった元金保証の商品がありますが、金利も低く何より資産を拘束される期間が長いためオススメできません。株式の下落や世界情勢が不安定なときほど、「金」の投資信託に投資をするのがオススメです。「金」の投資信託であれば流動性が確保され、リスクヘッジもできるため一時的な資産の回避先としても、利益確定して様子見をしたいときも活用できます。
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