本記事では「日本人投資家がアメリカ不動産でコストセグリゲーションした節税効果」について解説します。
少しでも節税効果を享受したい日本人オーナーからのコストセグリゲーションに関する問い合わせが急増しています。アメリカの税務処理であれば一括償却ができるため、節税効果は高いでしょうが、日本の税務処理でコストセグリゲーションはどのくらいの節税効果があるのでしょうか。
具体的な事例を用いて、日本人投資家がアメリカ不動産でコストセグリゲーションした節税効果について解説します。
1.日本人投資家がアメリカ不動産でコストセグリゲーションをした節税効果
アメリカ不動産でコストセグリゲーションををすると不動産と動産の価値の切り分けができ、さらに細かい動産を分類することができます。コストセグリゲーションのレポートは不動産内の動産が一覧となっており、それぞれアメリカの耐用年数が記載されたものです。アメリカの耐用年数は5年、7年、15年に仕分けされます。
日本の確定申告ではアメリカの耐用年数は使用できないため、動産の一覧を日本の耐用年数と照らし合わせる必要があります。
少なくとも不動産の耐用年数よりは短いため、節税効果が高いと思われる方がおおいでしょう。
動産の部分の減価償却が前倒しになるため、短期的にみれば節税効果はありますが、中長期敵にみれば節税効果はありません。
具体的な事例の平均するとコストセグリゲーションをした場合、アメリカ不動産を購入してから5~7年間は通常よりも40%程度多く減価償却費を計上することができます。
木造居住用住宅の耐用年数から減価償却費を算出すると大きな金額ではないため、40%程度多くの減価償却費を計上できたとしてもあまり節税効果が高いとはいえません。
アメリカ不動産を購入してから10年以上経過した場合は、動産を前倒して償却しているため、減価償却費も少なくなります。
コストセグリゲーションのレポートを依頼するだけでも費用が掛かるため、そこまで大きな節税効果がないのであれば慎重に検討する必要がありそうです。
2.コストセグリゲーションにより節税効果が見込めるアメリカ不動産の特徴
あまり節税効果の高くない不動産に対してコストセグリゲーション自体のコストを掛けてレポートを受ける必要はありません。コストセグリゲーションを理論的に考えると、動産の価値が残っていて、かつ耐用年数が短いものが不動産の中にあればよいということになります。
コストセグリゲーションにより節税効果が見込めるアメリカ不動産の特徴を解説します。
2-1.築浅のアメリカ不動産
アメリカ不動産の設備で価値が高いものは、空調やボイラーなどがあります。 その他の動産よりは比較的耐用年数が長いですが、価値が高いがゆえ節税効果は高まります。空調やボイラーは10年以上使用されているものも多く、それでは価値がなくなってしまい節税効果が薄くなります。
築浅不動産でまだ空調やボイラーの使用年数が短いもの、もしくは築古不動産でも設備を入れ替えたばかりであれば高い節税効果が見込めます。
2-2.1棟収益アメリカ不動産
戸建てや区分所有のコンドミニアムには共用部を減価償却をすることはできませんが、1棟収益アメリカ不動産であれば共用部も減価償却の対象です。共用部は比較的動産が多く、高い節税効果が見込めます。
3.コストセグリゲーションをするタイミング
コストセグリゲーションは客観的なレポートが必要なため、専門家に依頼してレポートを受け取る必要があります。コストセグリゲーションの費用は、インスペクションと同じくらいです。
アメリカでは未だニーズが高く、すぐにレポートを受け取ることは難しいでしょう。
結果、アメリカ不動産の購入を検討している間に対象不動産のコストセグリゲーションは難しく、投資判断をする要因とはなりません。
コストセグリゲーションの現実的な活用方法は、純投資でアメリカ不動産投資をして、その不動産の節税効果を少しでも上げたい場合に限定されます。
4.まとめ
アメリカでも日本でも注目されているコストセグリゲーションですが、日本人投資家にとっては大きなインパクトはなく、付随される節税効果の域を超えません。コストセグリゲーションにも費用が掛かるため、コストセグリゲーションのレポートを受ける投資効果と節税効果のバランスを確認した方がよさそうです。
少しでも多くの減価償却費を計上して、少しでも多くの節税効果を取り込むんだ、という強い意志がある場合は別ですが、日本人投資家にとってはやってもやらなくてもあまり変わらなさそうです。
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