本記事では「海外不動産会社の騙しの手口と対処法」について解説します。国内でも海外でも日本の不動産会社は「騙し」や「嘘」が当たり前です。日本の海外不動産会社から騙されないように、騙しの手口と対処法について、不動産の3つのフェーズである購入、賃貸管理、売却にわけて開設をします。優良な海外不動産会社やパートナー選びのヒントになるはずです。
1.海外不動産会社の騙しの手口~購入編5選
海外不動産投資の入口は海外不動産を購入するときです。海外不動産を購入するときの騙しの手口とその対処法について解説します。
1-1.買取転売による不動産価格
日本の海外不動産会社のほとんどが買取転売をしています。一度自社で購入し、海外不動産会社の利益を確保した上で投資家に販売します。一般的には市場価格よりも高値で海外不動産を購入することになるので、不動産投資が失敗しやすくなるでしょう。
(対処法)
購入を検討している海外不動産が買取転売か、不動産仲介かを確認する必要があります。不動産登記情報から売買履歴を確認しましょう。アメリカの不動産はほとんどの不動産の売買履歴を確認することができるため、簡単に買取転売か、否かを確認できます。また、買取転売の場合、売主が海外不動産会社の外国法人になっている場合が多いので、売買契約の主体となる売主を確認することで買取転売か、否かを確認できます。
1-2.インスペクションやリノベーション費用の改ざん
日本の海外不動産会社の中には買主の権利であるインスペクションをせずに販売をするケースもあります。不動産の瑕疵や補修箇所を隠蔽したまま投資家に販売するのです。また、補修が必要な場合でも実際の見積りを改ざんし、多く請求するケースもあります。
(対処法)
日本ではインスペクションに馴染みがありませんが、海外不動産であればどの国でもインスペクションをするのが当たり前です。インスペクションは買主の権利であるため、海外不動産を購入するのであれば、必ずインスペクションを実施しましょう。また、補修に必要な工事費用やリノベーション費用の改ざんについては、現地の工事会社からの直接の見積りを見せてもらいましょう。必要があれば複数の工事会社から相見積りを取得してもらうのも有効です。
1-3.収支シュミレーションの改ざん
日本の海外不動産会社が購入するときに提示する収支シュミレーションにはたくさんの嘘が含まれています。そもそも収支シュミレーション通りの利回りをしないことも往々にしてあります。
(対処法)
日本の海外不動産会社の都合のよい収支シュミレーションには、含まれていない項目があります。例えば、空室率や修繕費、募集広告費が含まれていないことが多いです。収支シュミレーションに含まれない項目を精査し、追加してもらうことで想定に近い収支シュミレーションとなるでしょう。
1-4.サブリース契約
日本人は安心・安全という言葉が好きで、不動産投資においてもそれを求めます。日本の海外不動産会社は日本人のニーズに合わせるためにサブリース契約をします。サブリース契約は多くのトラブルに見舞われる可能性が高い契約です。例えば、途中のサブリース料率の変更やサブリース契約の解除といったことが起こります。海外不動産ということもあり、途中の契約変更で管理移管をしなければならないケースもあるでしょう。
(対処法)
一番の対処法はサブリース契約はしないということです。どうしてもサブリース契約をする場合は、まずはサブリース契約の解除条項を確認しましょう。解除条項には賃料保証会社の都合のよい条件が記載されているはずです。また、賃料保証会社の与信を確認することも大事です。いずれかで不利な条件の場合、サブリース契約をしないことをオススメします。
1-5.プレビルド不動産のデューデリジェンス
海外不動産投資でもっともトラブルが多いのがプレビルド不動産です。日本の海外不動産会社は開発会社やプロジェクトをデューデリジェンスしなければなりませんが、そんな能力がないため、日本の海外不動産会社は販売した報酬のみで判断しています。プレビルドは竣工しないリスク、支払った資金を回収できないリスクを内包しています。
(対処法)
一番の対処法は、プレビルド不動産に手を出さないことです。どうしてもプレビルド不動産に投資したいのであれば、自らが開発会社やプロジェクトのデューデリジェンスをしなければなりません。開発会社が上場企業でない限り、開発会社の与信は確認できません。開発会社の与信に関わる情報を開示してもらう、プロジェクト自体に金融機関がローンを貸しているなどを補完的に確認することで、ある程度のリスクは回避できるでしょう。
2.海外不動産会社の騙しの手口~賃貸管理編3選
不動産投資の中ではもっとも長い期間になるのが賃貸管理です。日本の海外不動産会社は長期に渡り、騙してくるかもしれません。賃貸管理中の騙しの手口と対処法について解説します。
2-1.賃貸管理に伴う費用の改ざん
賃貸管理中は様々な費用が掛かります。その中でも日々の補修費や入退去の際の原状回復費、リノベーション費用の改ざんが横行しています。日本人が工事代金の相場がわからないことをいいことに、日本の海外不動産会社はやりたい放題です。
(対処法)
すべての工事の見積りと請求書を確認するようにしましょう。アメリカの不動産管理契約では見積りや請求書を開示しないという契約内容もあるので、不動産管理契約を確認する必要もあります。必要があれば複数社からの相見積りも取得するようにしましょう。
2-2.不動産利回りと不動産価格が下落
アメリカを中心としたインフレーションする国で不動産の利回りや不動産価格が下落することはあまり考えられません。もし不動産の利回りや不動産価格が下落しているのであれば、AM会社やPM会社の怠慢、不動産管理をほったらかしにしている可能性があります。
(対処法)
海外不動産投資で投資効果を得る方法として、賃料を上げる必要があります。入退去のときや賃貸借契約の更新時に賃料を上げられているかを確認しましょう。もし上げられていないのであれば、AM会社やPM会社に原因を確認するようにしましょう。また、賃貸管理に掛かる費用が適正かを確認する必要があります。AM会社によっては各々の得意先のいいなりとなり、不動産オーナーに請求していることもあります。どちらもうまく言っていない場合は、AM会社やPM会社の更迭を検討する必要があります。
海外となると不動産の状況を確認しづらいですが、いまではインターネットで不動産の住所をインプットすれば口コミを見ることができます。入居者が写真をアップロードしていることも多いので、一度確認されることをオススメします。
2-3.収支報告や資金管理
AM会社の資金管理がずさんな場合、収支報告が遅れたり、収支報告上の現金と実際の現金が合わなかったりする場合があります。また、管理している資金をトラストアカウントにしていない場合、AM会社が倒産したときに倒産隔離にならず資金の回収ができません。過去には資金を他の顧客に流用しているようなAM会社もあるのでお気をつけください。
(対処法)
収支報告が遅れた時点で管理移管を検討する必要があります。資金管理は不動産投資において非常に重要なため、ほうっておくと回収ができない場合もあります。何度も収支報告や送金の手続きが遅れる場合はすぐに決断して管理移管することをオススメします。
3.海外不動産会社の騙しの手口~売却編3選
不動産投資の総仕上げは不動産の売却です。キャピタルゲインの実現は売却のときにしかわかりません。売却のときの騙しの手口と対処法を解説します。
3-1.不動産の買取り
日本の海外不動産会社の中には不動産オーナーから自社で買取り、あらたな不動産オーナーに販売したり、買取価格よりも高い価格で売却したりすることがあります。本来であれば不動産オーナーがキャピタルゲインを得るべきですが、情弱であることをいいことに日本の海外不動産会社がキャピタルゲインを買取転売によって実現してしまいます。
(対処法)
海外不動産の売却はローカルに売却するようにしましょう。売主が日本の海外不動産会社である場合は間違いなく買取転売をしようとしています。日本人オーナーから日本人オーナーへ売却するときには、海外不動産会社は不動産仲介になりますが買主と売主から仲介手数料を得ることになります。買主と売主の立場は利益相反になることから、想定通りのキャピタルゲインは得られないでしょう。
3-2.市場よりも安い不動産売却価格
日本の海外不動産会社の売却の経験が乏しかったり、クオリティが低い場合は市場価格よりも安い売却価格となってしまうでしょう。自分からクオリティが低いとか、経験がないといったことをいう海外不動産会社はいません。海外不動産の場合、購入するといよりも売却するときの方が難しく、経験やクオリティがものをいいます。
(対処法)
まずは自分の海外不動産にどのくらいの価値があるのかを分析できるようになりましょう。日本の不動産とは違い、アメリカなどの先進国の不動産情報は公平性と透明性があり、周辺の売買価格や売買履歴を調べることができます。つまり、自分の海外不動産の適正価格を分析できるということです。自分で価値がわかれば売却するときにも判断ができるようになり、日本の海外不動産会社のクオリティに頼らずに売却することができます。
3-3.売却できない状態にも関わらず売却時期の延伸
日本の海外不動産会社が販売した海外不動産の中には売却できない海外不動産もあります。売却できない理由は様々ありますが、売却できないという事実を伝えずに売却時期を延ばすように促す日本の海外不動産会社もあるようです。
(対処法)
自分の海外不動産がどのような状況かを把握しましょう。事実がわからなければその後の対処法もわかりません。日本の海外不動産会社の情報は当てにならないので、その場合はセカンドオピニオンサービスや現地の不動産会社に問い合わせてみましょう。不動産は価格にこだわらなければ売りたいときに売れないということはありません。言い訳をして売却時期を延ばすような海外不動産会社にはお気をつけください。
4.まとめ
日本の不動産業界は魑魅魍魎の世界で騙し騙されは当たり前、まともな業界ではありません。原因は閉鎖的な不動産情報のためですが、海外においても日本と同様のビジネスモデルで展開している日本の海外不動産会社も少なくありません。このような日本の海外不動産会社に対抗するためにはある程度知識を身に付ける必要があります。当たり前のことを当たり前に取り組んでくれる海外不動産投資のパートナー選びは大事です。
代表的な騙しの手口を購入、賃貸管理、売却のフェーズにわけて解説しましたが、今回紹介した手口を知っていればほぼほぼ騙されることはありません。すでに海外不動産をもち、賃貸管理をしている投資家の中でもこれに当てはまるようであれば、管理移管を検討しなければなりません。日本の海外不動産会社はあまりクオリティが高くないためお気を付けください。
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