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【完全保存版】法人税節税に効果アリ!アメリカ不動産の名義変更のすべて

本記事では「アメリカ不動産を個人から法人へ名義変更する方法」について解説します。
節税目的でアメリカ不動産を購入したオーナーが長期譲渡期間になりはじめています。個人名義のままアメリカ不動産を売却するか、個人名義を法人名義に名義変更するかの選択肢があります。アメリカ不動産は長期投資すればキャピタルゲインを得やすいという特徴があり、さらに法人税節税もできるとあって、アメリカ不動産を個人から法人へ名義変更したいというニーズが高まっています。今回はアメリカ不動産を個人から法人へ名義変更する方法を中心に、名義変更に伴るメリットやデメリットを解説します。

1.アメリカ不動産を個人から法人へ名義変更するニーズのおさらい

アメリカ不動産を個人から法人へ名義変更するニーズをおさらいしてみましょう。当てはまるアメリカ不動産オーナーは名義変更を検討してみてはいかがですか。

1-1.税制改正により封じられた個人の節税

2020年の税制改正により、海外不動産に限り損益通算をすることができなくなりました。つまり、海外不動産の減価償却費と収入を相殺する個人の所得税対策ができなくなってしまったのです。アメリカ不動産で節税を試みたオーナーの中には、期待通りの節税ができなかったオーナーも多くいらっしゃいます。 いまでも法人であれば海外不動産を活用して法人税対策が可能です。個人ではできなくなった節税を法人で取り組もうというニーズが高まっています。

1-2.個人名義で長期譲渡期間に突入

不動産の譲渡益は購入した翌年の1月1日を起算日として5年以上経過すれば長期譲渡期間となり、不動産譲渡税の税率が下がります。不動産の短期譲渡税は約40%になるのに比べ、長期譲渡税は20%となります。早めにアメリカ不動産を活用して節税をしたアメリカ不動産オーナーの中には既に長期譲渡期間になっているオーナーも多くいらっしゃいます。 いまでも法人であれば節税ができるため、再度アメリカ不動産を活用して法人税対策を試みる気業務多く、名義変更のニーズが高まっています。

1-3.アメリカ不動産を長期保有することでのキャピタルゲイン

ケースシラー住宅指数を見ればわかる通り、アメリカ不動産の不動産価格は右肩あがりに推移しています。リーマンショックという大きなリセッションでも一時期大きく不動産価格が下がりましたが、比較的早く不動産価格が持ち直しさらに不動産価格は上昇を続けています。アメリカ不動産は長期で保有すれば大きなキャピタルゲインが得られる可能性が高いため、個人名義から法人名義に名義変更することで長期間節税対策をしながら大きなキャピタルゲインが望めるのです。

2.名義変更をするときの注意が必要なポイント

個人から法人への名義変更のケースとして、個人と法人の代表者が同一なケースは少なくありません。極端にいうと本人から本人に名義変更しているだけなので、簡単に感じるかもしれませんが、個人から法人に名義変更するということは人格が変わるため投資をする環境が変わります。何に注意をすればいいかを解説します。

2-1.名義変更に掛かる費用

個人から法人に名義変更することは人格が変わるため、名義変更に伴い諸費用が掛かります。名義変更のやり方次第では売買手数料や不動産仲介手数料が掛かるケースもあります。高額な手数料が掛かっても名義変更をするメリットはあるのか、あまり費用が掛からない名義変更のやり方にするかなど名義変更をする判断として、名義変更に掛かる費用を事前に確認することが大事です。

2-2.法人への移転価格

個人から法人へ名義変更するということは、個人が法人に不動産を売却するということと同じ意味となります。法人が取得する不動産価格は税務処理上、非常に重要なポイントとなります。簿価で名義変更するのはもっての外で、もし簿価で取引をしたら税務当局が黙っていません。逆に高額で名義変更した場合は法人から個人への資金移転を疑われてしまいます。客観的な時価での取引をしなければならないので、客観的な不動産評価が必要になります。

2-3.売買代金の準備

個人から法人へ名義変更するということは、個人が法人に不動産を売却するということと同じ意味になります。いくら個人と法人の代表者が同一とはいえ不動産の取引となるため売買代金を法人から個人に支払う必要があります。法人にある程度の資金がなければ名義変更ができないケースがあります。

2-4.不動産ローンの借換

アメリカ不動産を購入したときに不動産ローンを借りている場合、名義変更の際には一度個人から金融機関に不動産ローンを返済する必要があります。不動産の名義変更はできても不動産ローンの契約者をそのまま変更するのは難しいでしょう。法人でも不動産ローンを借りたい場合、事前に借りることができるのかを確認しなければなりません。

2-5.FIRPTAへの対応

アメリカ不動産を売却したときには必ずFIRPTAを納税しなければなりません。いくら個人と法人の代表者が同一とはいえ、不動産取引となるためFIRPTAを回避することは難しいでしょう。不動産売却価格の15%が一時的に納税されるため、個人のキャッシュフローは一時的に悪くなります。名義変更した後のキャッシュフローを事前に試算する必要があります。

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3.アメリカ不動産を個人から法人へ名義変更する方法

アメリカ不動産を個人から法人へ名義変更する手順や方法を解説します。名義変更の方法を間違えれば、名義変更に伴い高額な費用が掛かったりトラブルになったりするため注意が必要です。

3-1.アメリカ不動産を所有する州に日本法人の支店登記

アメリカ不動産で減価償却を計上したいのであれば、日本法人でアメリカ不動産を所有する必要があります。アメリカに法人登記がなければアメリカ不動産を所有することはできません。名義変更の手続きに入る前にアメリカ不動産を所有する州に日本法人の支店として登記が必要です。CPAや弁護士に依頼することで日本法人の支店登記ができます。

3-2.客観的な不動産価格のためのアプレイザル

アメリカ不動産を個人から法人に名義変更するための移転価格は、税務処理上非常に重要です。客観的な不動産価格を証明する方法は、いろいろありますがアプレイザルをオススメします。アメリカでライセンスが必要なアプレイザーによるアプレイザルはアメリカ不動産を客観的に評価するのに有効です。

3-3.名義変更の方法を選択

アメリカ不動産を個人から法人へ名義変更する方法はいろいろあります。方法を間違えてしまうと高額な手数料が掛かったり、法人の名義変更した後のトラブルになったりするため、名義変更の方法を選択しなければなりません。 名義変更の方法を解説します。

【通常の不動産取引】エスクロー取引
いわゆるアメリカ不動産の通常と取引で個人から法人への名義変更の方法
エスクローを介しての不動産取引のため、売買諸経費、不動産仲介手数料、FIRPTAの納税、売買代金の支払いが必要になります。 名義変更の方法の中ではもっとも費用が高額な方法です。

【個人間の不動産取引】 ※弁護士を介しての取引
アメリカ不動産をエスクローを介さず、個人間で取引をする名義変更の方法
エスクローを介していないだけのため、FIRPTAへの対応、弁護士費用の支払いが必要になります。弁護士によっては売買代金の支払いが必要になる場合があります。

Quit Claim Deedでの名義変更】 ※家族間の取引
個人と法人の代表者が同一であれば、名義変更の方法でもっとも簡単でもっとも安価で名義変更をする方法です。ペーパーワークのみで名義変更ができるため、売買諸経費や不動産仲介手数料などの費用がほとんど掛かりません。 個人と法人の代表者が同一なのであれば、Quit Claim Deedで名義変更するのがオススメです。

日本のアメリカ不動産会社の中には名義変更をするだけで高額な手数料を請求する不動産会社も少なくありません。アメリカ不動産を購入するときと同じくらいの手数料を請求しています。また、個人間の不動産取引であってもある程度の手数料が掛かります。
個人と法人の代表者が同一の場合であれば、迷いなくQuit Claim Deedで名義変更することをオススメします。

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4.日本法人がアメリカ不動産を所有するリスクと名義変更のデメリット

日本法人がアメリカ不動産を所有した場合、法人が一定のリスクを抱えることになります。また、名義変更後に起こりやすいトラブルもあるため、日本法人がアメリカ不動産を所有するリスクと名義変更後のトラブルについて解説します。

4-1.不動産の権利義務がすべて日本法人に帰属

アメリカ不動産の権利義務が日本法人に帰属するということは、収入を得る権利と不動産で起こるトラブルに対応する義務が生じます。もし所有のアメリカ不動産で大きなトラブルが起こり賠償責任が生じた場合はすべて日本法人が賠償金を支払う必要があるのです。リスクの高いアメリカ不動産を名義変更するには注意が必要です。

4-2.会計コストが増加

個人でも法人でもアメリカ不動産で収益を得ている場合、税務申告が必須になります。日本でも同様ですが、個人の確定申告よりも法人の決算の方が税務報酬が掛かります。事前にCPAに相談の上、個人から法人の税務申告に変わったらどのくらいの会計コストになるかを確認しましょう。

4-3.損害保険料の増加

損害保険会社はその時々のリスクに応じて保険料を設定しています。一般的にそのエリアで事故率が高い場合や保険金の支払いがあった場合には損害保険料は上がることになります。契約者についてもリスクの一部となるため、法人が契約者に変わった途端に損害保険料が上がる可能性があります。

4-4.建物比率の変化

法人税節税のためにアメリカ不動産を所有するのであれば、建物比率は重要な指標となります。個人から法人へ名義変更したときには、個人で所有していた時期とは不動産価格が変動したり、固定資産税評価が変動しているため建物比率が同じではありません。ついては、現在の固定資産税評価やアプレイザルを事前に確認しなければ想定通りの法人税節税ができません。事前に固定資産税評価やアプレイザルにより建物比率を試算してから名義変更することをオススメします。

4-5.各種不動産管理関連契約の名義変更

不動産賃貸管理をしていれば様々な取引先と様々な契約をしているはずです。不動産管理関連契約のすべての契約者を変更しなければなりません。不動産の所有と費用の契約者が同一でない場合、税務申告での否認の可能性が高まったり、契約を解除されたりとトラブルのもととなります。事前にすべての契約を洗い出し、漏れ抜けなく契約者を変更するようにしましょう。

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5.まとめ

アメリカ不動産の個人から法人への名義変更は目先の法人税節税ばかりに目が行きますが、法人でアメリカ不動産を所有するリスクや名義変更後に起こりやすいトラブル、名義変更後の節税効果などたくさん気を付けるべきポイントがあります。順調に経営できていて利益がでている日本法人に悪影響があるのであれば名義変更はするべきではありません。まずはCPAなどの士業やアメリカ不動産の専門家に相談することをオススメします。

また、日本のアメリカ不動産会社の中には名義変更するだけで高額な手数料を請求する不動産会社も少なくないようです。大手のアメリカ不動産会社であれば5%前後、弁護士を介した個人間取引でも4%前後の手数料が請求されているようですが、2%前後で名義変更は可能です。また、名義変更のやり方を間違えるだけでトラブルが起こりやすくなるため注意してください。

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