海外不動産や海外金融商品へ投資していると、日本国内だけで資産運用している場合とは異なる資金管理が必要になります。
米ドルなどの外貨を受け取る、海外へ送金する、複数の外貨を保有する。さらに米国不動産を保有していると、保険金やEscrowの精算金、Property Taxの還付金などをCheck(小切手)で受け取るケースもあります。
こうした海外資産を日本国内で管理する際に選択肢となるのが、SMBC信託銀行の「PRESTIA(プレスティア)」です。
PRESTIAは外貨・海外送金関連のサービスが充実しているだけでなく、2026年現在も一定の条件で外国小切手を取り扱っています。また、取引残高や資産運用残高によってDigital Gold、Gold、Gold Premiumというステータスが用意され、海外送金などの手数料優遇も受けられます。
本記事ではPRESTIAを単なる「外貨預金に強い銀行」としてではなく、日本国内に置く海外資産管理のハブという視点から解説します。
海外資産を持つ人にPRESTIAが使いやすい理由
シティバンク銀行のリテール事業を引き継いだPRESTIA
PRESTIAを運営するSMBC信託銀行は、三井住友フィナンシャルグループの信託銀行です。
PRESTIAの特徴を理解するうえで重要なのが、その前身です。SMBC信託銀行は2015年にシティバンク銀行の日本におけるリテールバンク事業を取得し、同年11月から「PRESTIA」として事業を開始しました。
そのため、一般的な国内銀行とは少し異なり、外貨預金、海外送金、海外でのカード利用など、国際的な資金管理を意識したサービスが多く用意されています。
海外投資をしている人にとって重要なのは、「外貨を買えるか」だけではありません。海外から受け取った資金を外貨のまま保有したり、必要に応じて再び海外へ送ったりできることも重要です。
17通貨を取り扱う外貨口座
2026年9月現在、PRESTIAの外貨関連サービスでは、米ドル、豪ドル、ニュージーランドドル、英ポンド、カナダドル、ユーロ、スイスフラン、シンガポールドル、香港ドル、中国人民元など17通貨が取り扱われています。
さらにインターネットバンキングで円から外貨を購入する場合、現在は17通貨すべてについて為替手数料0円が案内されています。
ただし、これは外貨取引に関するすべてのコストが無料という意味ではありません。取引方法やサービスによって条件は異なるため、実際の取引前には最新の手数料を確認する必要があります。
海外から外貨を外貨のまま受け取れる
海外投資をしている人にとって便利なのが、海外や他の金融機関から送られてきた外貨を、円へ交換せず外貨のまま受け取れることです。
PRESTIAでは「プレスティア マルチマネー口座外貨普通預金」を利用することで、対象通貨を外貨のまま受け取ることができ、個人口座への外貨送金受取にかかるリフティングチャージは無料とされています。
例えば米国不動産の賃料や売却資金などを米ドルで受け取り、すぐに円へ両替せず、そのまま米ドル資産として管理するという使い方もできます。
PRESTIAの3つのステータスと優遇サービス
PRESTIAを海外資産管理に利用するなら、理解しておきたいのが「ステータス」です。
2026年9月現在、通常のPRESTIAに加えて、PRESTIA Digital Gold、PRESTIA Gold、PRESTIA Gold Premiumという3つの特別なステータスがあります。
| ステータス | 月間平均総取引残高 | 月間平均資産運用残高 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| Digital Gold | 条件なし | 300万円以上 | オンライン中心の手数料優遇 |
| Gold | 1,000万円以上 | 300万円以上 | 各種手数料優遇・専用サービス |
| Gold Premium | 5,000万円以上 | 1,000万円以上 | 専任コンサルタントなど上位サービス |
ポイントは、単純な預金残高だけでステータスが決まるわけではないことです。
月間平均資産運用残高には、外貨預金、投資信託、金融商品仲介取扱商品、対象となる保険商品などが含まれます。また、GoldとGold Premiumについては、「月間平均総取引残高」と「月間平均資産運用残高」の両方の条件を満たす必要があります。
Digital Goldは前月の取引状況に応じて自動適用されますが、GoldとGold Premiumは店頭または電話での申込みが必要です。また、条件を満たした場合でも、銀行の総合的な判断によってステータスが提供されない場合があります。
海外送金などの手数料優遇
海外資産を持つ人にとって特に利用価値があるのが、海外電信送金などに関する手数料優遇です。
現在、Digital Goldではインターネットバンキングを利用した海外電信送金手数料が無料となり、GoldとGold Premiumでも海外電信送金手数料の優遇があります。
また、GoldとGold Premiumでは対象となる円資金からの外貨購入時の為替手数料について、それぞれ50%、70%の割引が設定されています。なお、インターネットバンキングで円から外貨を購入する場合は、ステータスにかかわらず現在17通貨の為替手数料が無料と案内されているため、利用チャネルによる違いも確認しておきましょう。
GLOBAL PASSで外貨を海外でも利用できる
Visaデビット一体型キャッシュカード「GLOBAL PASS」は、日本円を含む18通貨に対応しています。
PRESTIAの口座に対象外貨を保有していれば、海外での買い物やATM利用にも活用できます。海外投資だけでなく、海外出張や海外生活などで外貨を実際に使う人にも便利な機能です。
※図解の外国小切手欄は「米ドル建て外国小切手:Gold/Gold Premiumは取扱手数料無料(所定条件あり)」に修正した最新版を使用してください。ステータス・手数料・サービス条件は変更される場合があります。
米国不動産オーナーに役立つ外国小切手
PRESTIAを海外投資家に紹介するうえで、外貨預金や海外送金と並んで重要なのが外国小切手の取扱いです。
日本では外国小切手を取り扱う金融機関が限られています。一方、米国では現在でもCheckが利用される場面があり、米国不動産を保有している日本人オーナーにも無関係ではありません。
米国不動産ではCheckを受け取るケースがある
米国不動産を保有していると、日常的な賃料収入だけでなく、さまざまな精算や返金が発生します。
例えば、保険金、Escrowの精算金、Property Taxの還付金、Utility Depositの返金、売却や管理に伴う精算金などがCheckで発行されるケースがあります。
米国に自分名義の銀行口座を持っていれば対応しやすいのですが、日本で外国小切手を受け取った場合、「どの金融機関へ持ち込めばよいのか」という問題が生じることがあります。
PRESTIAでは米ドル建て外国小切手を取り扱っている
2026年9月現在、PRESTIAは口座保有者を対象として米ドル建て外国小切手の取扱いを継続しています。
ただし、小切手を持ち込めば無条件ですぐ現金化できるわけではありません。券面や内容などを銀行が確認し、取扱いの可否を判断します。また、個別取立となる場合など、入金まで時間がかかることがあります。
Checkを受け取った段階で、事前にPRESTIAへ取扱可否を確認することをおすすめします。
Gold以上なら米ドル建て外国小切手の手数料が無料
米国不動産オーナーにとって特に注目したいのが、ステータスによる外国小切手の手数料差です。
2026年9月現在、通常のPRESTIAおよびDigital Goldでは、米ドル建て外国小切手の取扱手数料は1枚20,000円です。
これに対して、PRESTIA GoldとGold Premiumでは米ドル建て外国小切手の取扱手数料が無料とされています。
| ステータス | 米ドル建て外国小切手の取扱手数料 |
|---|---|
| 通常 | 20,000円/枚 |
| Digital Gold | 20,000円/枚 |
| Gold | 無料 |
| Gold Premium | 無料 |
米国不動産を長期保有していると、いつCheckが発生するかは予測できません。外国小切手の換金だけを目的にGoldを目指す必要はありませんが、すでに海外資産を保有し、PRESTIAで一定額の外貨や金融資産を管理する人にとっては実務上のメリットになります。
海外資産管理におけるPRESTIAの活用方法
PRESTIAの価値は、外貨預金の金利や特定のキャンペーンだけで判断するものではありません。
海外資産を保有する人にとっては、「海外で発生したお金を日本国内で受け取り、外貨のまま管理し、必要なら再び海外へ動かせる」という役割に意味があります。
| 金融拠点 | 海外資産管理での主な役割 |
|---|---|
| 日本・PRESTIA | 円・外貨の国内受け皿、海外送受金、外国小切手 |
| 香港 | 多通貨管理、国際送金、アジアでの資金管理 |
| シンガポール | 海外株・ETF、資産運用、国際金融 |
| 米国 | 米ドル資産、米国不動産、米国事業 |
例えば、米国不動産から発生した米ドルを日本で受け取るならPRESTIA、海外株やETFを運用するならシンガポールの証券口座、多通貨で国際的に資金管理するなら香港銀行というように、目的によって金融機関を使い分けることができます。
海外資産管理では、ひとつの銀行にすべてを集約するのではなく、国・金融機関・通貨の役割を考えて金融インフラを設計することが重要です。
海外口座を使っても日本の税務と無関係になるわけではない
PRESTIAだけでなく、香港やシンガポールなど複数国に金融口座を持つ場合は、税務上の情報管理も重要になります。
海外金融口座についてはCRS(共通報告基準)による金融口座情報の自動的情報交換が行われており、「海外に口座を置けば日本から見えなくなる」と考えるべきではありません。
海外資産が税務当局へどのように把握されるのかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
Credi TechからのPRESTIA口座開設斡旋は終了
Credi Techでは以前、PRESTIAの口座開設についてご案内していた時期がありましたが、現在はPRESTIAの口座開設斡旋・紹介サポートを行っていません。
口座開設を希望する場合は、SMBC信託銀行PRESTIAの公式サイトから最新の条件・必要書類・サービス内容をご確認ください。
【参考動画】PRESTIAの外貨・海外投資向けサービス
以下は、Credi Techが過去に公開したPRESTIAの解説動画です。
動画公開時点から、口座維持手数料、ステータス制度、海外送金手数料、外貨取引、キャンペーンなどの条件は変更されています。現在のサービス条件を説明する動画ではなく、当時のPRESTIA活用方法を知るための参考情報としてご覧ください。
まとめ|PRESTIAを海外資産の「日本側の受け皿」にする
PRESTIAは、日本国内で円預金だけを管理する銀行として見るより、海外資産と日本をつなぐ金融インフラとして考えると特徴が分かりやすくなります。
17通貨の外貨管理、海外からの外貨受取、海外送金、GLOBAL PASSに加え、現在も米ドル建て外国小切手を取り扱っていることは、海外投資家にとって特徴的な機能です。
特に米国不動産を保有していると、保険金や各種精算金などをCheckで受け取る可能性があります。GoldまたはGold Premiumでは米ドル建て外国小切手の取扱手数料が無料となるため、すでに一定規模の海外資産を管理している人には実務上のメリットがあります。
一方、PRESTIAだけですべての海外資産を管理する必要はありません。日本、香港、シンガポール、米国など、それぞれの金融インフラの特徴を理解して使い分けることが、国際的な資産管理では重要です。
Credi Techでは、PRESTIAの口座開設斡旋ではなく、米国不動産をはじめとする海外資産の保有・管理・資産組み替えについてご相談を受けています。


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